2020/05/09 ゆるやかな時間の話 天心庵守のひとりごと
今朝はいつになく目覚めが早かったので、こうして時間があるときこそお抹茶をたて、 皐月の陽ざしを浴びながら自宅のベランダでゆっくりいただくことにしました。 とても静寂な時間です。 ここから一歩踏み出せば、世界中が見えない恐怖によって、私たちのふつうの暮らしが脆く崩され...
2020/04/04 ゆるやかな時間の話 天心庵守のひとりごと
昨年末からいつになくとても多忙な日々を過ごしていて、このところ心身ともに疲労困憊状態でした。 かといって、とてもものごとがはかどったかというとそこまでではなくて、ただただ時間に追われ一日があっという間に終わっていきました。 そうなると心は正直な...
2020/02/01 一服のお茶のような話 天心庵守のひとりごと
ある朝、いつものように目覚めの朝茶でゆっくりしていましたら、とあるニュース番組の話題コーナーで「飲むおにぎり」というなんとまあ摩訶不思議なものが取り上げられていました。ついにここまで来たか・・私はその味が全く想像できないくらい頭が凝り固まっている“おむすび”世代なので...
2019/12/21 一服のお茶のような話 天心庵守のひとりごと
毎年、最後一枚のカレンダーをめくるたびに、「ああ、もう一年が終わってしまう。」と、やり残した気分に苛(さい)なまれます。 この2019年は、幸いにさほど大きな心配ごともなく、人並みに平穏無事に過ごせたといえば有難いことなのですが、「あれれっ、今年の元旦に“宣誓”したことって何だ...
2019/10/31 ゆるやかな時間の話 天心庵守のひとりごと
近年、まだ10月だというのに新年のおせち料理取り寄せの広告キャンペーンがやたらと賑わうようになりました。ついこの間、お正月を終えたばかりなのにもう?という感覚です。それだけ、時間の流れが経済に翻弄されながら加速しているようでなんとも落ち着きません。 一年の計は元旦にあり...
2019/09/21 ゆるやかな時間の話 天心庵守のひとりごと
ようこそ天心庵守へ。 樹木希林の遺作となった映画「日日是好日」(にちにちこれこうじつ)を観たのは、昨年の9月15日にこの大女優が亡くなってすぐの10月末でした。 私は映像のなかの樹木希林という女優の演技や他人に媚びず凛とした佇まいがとても好きですが、私人としての内田...
2019/08/10 ゆるやかな時間の話 天心庵守のひとりごと
木漏れ陽が差し込む縁側ではたきをかけていた母が手をとめて、幼稚園の先生の名前を正しくいえない私に「オオブボじゃなくて、オ・オ・ク・ボよ。」と何度も繰り返し教えてくれたあの光景をなぜか今もはっきり覚えています。 当時、5人家族が暮らすには小さすぎるくらいの我が家だったのに...
2019/07/10 ゆるやかな時間の話 天心庵守のひとりごと
ある雨の朝に思ったこと。 若いころは梅雨の時期が鬱陶しくて、灼熱の太陽を指おり数えて待ちわびていたものですが、歳を重ねていくうちに、軒下に垂れる雨の雫に宝石の輝きを重ね、大きな雫になると弾き散る水の儚さに時間も忘れて一人戯れる愉しい季節になりました。 雨の中を散策す...
2019/05/18 一服のお茶のような話 天心庵守のひとりごと
ある日の午後、ふと、「茶」という言葉を使った慣用句やことわざが普段の生活にどのくらい馴染んでいるだろうと興味が沸いてきて、幾つか書き出してみました。最初に浮かんだのが「茶を濁す」。えっ、私には潜在的にこうした小癪(こしゃく)なまねをするような性...
2019/04/06 茶を食す話 天心庵守のひとりごと
何を思ってか、突然、ぬか漬けを作り始めました。子供の頃は、毎朝、母がぬか床をひっくり返して、色鮮やかに漬かった茄子、胡瓜、人参、大根をいただきながら、朝茶と共にたわいのない話が弾んだものです。母が不在のときは、必ずといってぬか床をかき混ぜるようにと頼まれて...