当ウェブサイトを快適にご利用いただくためクッキーを使用します。詳細の確認

1899 CHACHACHA Blog

     

【BLOG】イソップ寓話「うさぎとかめ」、あなたはどっち派?

2019/12/21 一服のお茶のような話 太田菜穂子

【BLOG】イソップ寓話「うさぎとかめ」、あなたはどっち派?

毎年、最後一枚のカレンダーをめくるたびに、「ああ、もう一年が終わってしまう。」と、やり残した気分に苛(さい)なまれます。

この2019年は、幸いにさほど大きな心配ごともなく、人並みに平穏無事に過ごせたといえば有難いことなのですが、「あれれっ、今年の元旦に“宣誓”したことって何だった?」ってな具合。

せっかく立てた計が計でなくなってしまう始末です。

そもそも「一年の計は元旦にあり」って、どんなことを教えてくれているのでしょうか。

毎年、大晦日に除夜の鐘を聞きながら一年を振り返りあれこれ自省するわりには、年初に立てた計を忘れるほどのドタバタ生活が一向に改心されません。

ましてや、干支の気性に正直すぎて“猪突猛進”ときたものだから、なかなか計画どおりに有言実行するのは私にとってそう簡単にはいかないようです。

 

それでも目覚めのいい朝には、ゆったりと朝茶をいただいた後にジョギングをしながら立ち寄るお寺で、「家族に健康と叡智を。いい一日になりますように。」と深呼吸して心もちを整え、寺の住職が丁寧に手入れした静寂な庭園をあとにします。この時間こそ一年でなくても一日の計のようなもの。肩の力が抜けてゆっくりとしたひとときになっています。

 

今年は令和ができた年。

これで私は昭和—平成—令和の3つの時代を過ごすことになります。

振り返っても、やっぱりしみじみ思うのは「光陰矢の如し」なのです。

子供の頃は、一日が長くて長くて、早く時間が経たないかって思っていました。それが、年々歳を重ねるほど、本当に一日があっという間。ですから、否応なしに一週間だって、一年だってそうなってしまいます。一体、いつからこんなに時間が早く感じるようになってしまったのでしょう。

なぜ、同じ長さの時間が違った速さに感じるのでしょう。

私の実家は商売をしていましたので、家族皆いつも大忙しでした。

昭和の高度成長期でしたから、どこも皆、働けば働くほど生活は豊かになったのを覚えています。母は、今の時代でいうなればキャリアウーマンでした。

てきぱきと家事をこなしながら、出社時間がくると身綺麗にして近隣の仕事場に出かけていきました。大型スーパーも、電子レンジもなかった時代です。

お手伝いさんが作り置いてくれた夕飯をテレビを相手に一人で食べていました。人寂しさもあって一人飯は味気ないものでしたけれど、たまに母が作ってくれたけんちん汁やすし飯の味は、一緒に食べれなくても温かな満足感がありました。そしてあの当時の私にとっては退屈で長い日々であったけれど、母の一日も、きっとあっという間に過ぎてしまっていたに違いありません。母は今80半ばになって足腰が弱り自分が思うほど体の自由がききません。食べるのも歩くのも私の数倍時間がかかります。

「私は時間がかかるからあなたより早く支度しなければならないわ。」と言いながら支度をする姿は、心ばかりが急いて少し可哀想になります。

 

思うに、時計をあまり気にせずに暮らしていた私の子供時代はまだまだ時間がたっぷりあったように感じていたし、30代での子育て中は朝から寝るまで分刻みにやることが山ほどあって時間がない!って愚痴っていましたっけ。

もっと効率よく目的に向かって過ごす計画が年初にできていたなら、

達成感のある心の充足を生み出せていたのかもしれません。

結局、自分が健全に過ごせる幸せな人生を送るために、一日一年、こつこつ努力を重ねて達成していこうという「心もち」を教えてくれているのだと私は捉えています。“心もち?そんなもん”と思われるかもしれませんね。

ですが、意外とそこが落とし穴。

例えていうと、世界的なトップアスリートでも、勝つためにどんなに完璧なトレーニング計画を立てようが勝つ日までにうまく士気をうながす調整ができなければ計画倒れになってしまうものです。

ゴールに向かって、ポジティブに歩めているという心の充足感がなければなかなか持続することは辛い。

もちろん、結果は最善で越したことはないですが、むしろ過程にある経験を積むことでより引き出しができて、骨太の人生を手にすることのほうがもっと大切なのではと思うのです。

 

一年の計は元旦にあり。

一年なんて先すぎて・・って思う方は、一日の計から始めるもよし。

つまりは「こつこつ真摯に進み、前向きな苦楽を越えながらなさい。」ということだと自分の都合のいいように捉えています。

 

冒頭に、時間の速さについて考えていったのも、実は、計画は時間とともに同居していることを自分なりに再認識するためでもありました。

具体的に計画を立てる時にこそ、時を急いて無理な予定を作ろうとせずに、ゆったりとした達成感を味わえる心持ちでいられる環境を最優先にみつめ、小さな目標をこつこつやり遂げていくほうがゴールへの近道ということもありますものね。

そう、イソップ寓話の“うさぎとかめ”のように。

 

良いお年をお迎えください。

*********

「一年の計は元旦にあり。」

平成31年そして令和元年へと忙しい一年を過ごされたあなた。

せめて、年末年始はゆっくりと寛ぎながら優しい時間の流れを感じてみませんか。ゆとりの新年を過ごすなら、レストラン1899お茶の水(東京都千代田区)のおせちブッフェをが絶対お勧めです。今年は令和にちなみ出典された万葉集で歌われた食材などを使った新しい「万葉集おせち」3品を加えました。年末年始にお忙しい人にこそお贈りしたい「定番おせち」や「お茶おせち」をブッフェスタイルでご用意し、皆様のご来店をお待ち申し上げます。

要予約。
開催期間:2020年1月1日(祝)~1月3日(金)
料金:お一人様4,000円(12歳以下2000円。未就学児、無料。)
その他:90分制

 

詳細・ご予約はここから↓

https://1899.jp/ochanomizu/2019/10/osechi-oc/