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因尾茶ってどんなお茶?~大分県でのお茶探し~

2026.08.08

あきこ

因尾茶ってどんなお茶?〜大分県でのお茶探し〜

ホテル1899東京のお客様とお話している中で、「因尾茶ってご存じですか?」と聞かれました。大分県からお越しの方でした。
「インビ茶」・・・?耳慣れない名前です。
同時に、何というご縁!と嬉しくなりました。ちょうどその翌月、大分県に行く予定があったのです。「インビ茶」をお土産に買うことをこの旅の密かな目標に決めました。

ところが、この「インビ茶」にたどりつくまでが長い道のりでした。今回はその過程と、インビ茶を飲んでみた感想をお話したいと思います。

大分県で、お茶?

ところで、大分県といえば、みなさんは何を思い浮かべますか?
別府、由布院をはじめとする温泉地。
特産物はカボス、椎茸、葡萄。
「いいちこ」や「兼八」などの麦焼酎もありますね。
訪れる度に、その食の豊かさに感動しきりなのですが、お茶どころのイメージは個人的にあまりありませんでした。
まずは「インビ茶」が一体何なのか、調べてみることにしました。

別府湾で獲れる海の幸も

国内流通の1%未満の釜炒り茶

大分県佐伯(さいき)市本匠地区で約400年に渡り受け継がれてきた「因尾(いんび)茶」は、九州屈指の清流・番匠川が流れる山あいの豊かな自然の中で育まれる釜炒り茶です。
本匠地区のなかでもさらに奥まった、旧因尾村で生産されています。

釜炒り茶は、摘み取った茶葉を蒸す代わりに約300℃の鉄釜で炒り、揉みながら乾燥させる製法が特徴。
中国と交流の多かった九州に釜炒りの技法が伝わり、日本全国に広まったそうです。しかし、現在この製法で作られるお茶は国内流通量の1%未満と言われています。蒸し製法の普及によって次第に姿を消し、現在では生産量1位の宮崎県をはじめ、熊本県、佐賀県嬉野など九州の山間部で受け継がれています。

…と、ここでも大分県は出てきません。
やはり大分県の釜炒り茶は珍しいに違いないと、ますます興味が湧いてきました。今回の旅程では佐伯市を訪れることはかないませんが、因尾茶に出会えることを期待しながら、大分県へ。

いざ、道の駅めぐり…因尾茶がなかなか無い!

道の駅や農協など、探すこと4箇所。
どのお店にも「お茶コーナー」は設けられていて、ちょうど新茶の季節だったこともあり、品揃えも良いようにみえました。

地元のお茶屋さんのものやオーガニックのお茶のシリーズなど、複数のお茶が並びます。しいたけ茶、ごぼう茶など、特産の農作物を使ったお茶もありました。
しかし、因尾茶はおろか釜炒り茶にもなかなか出会えません。

せめて、釜炒り茶はないだろうかと調べてみると、大分県北部に位置する中津市耶馬溪(やばけい)でも釜炒り茶が作られていると目にし、足を運んでみました。
新緑の季節、雄大な自然に癒されます。

有形文化財にも登録されている耶馬溪橋(中津市)

しかし、どちらかというと蕎麦の生産が盛んなようで、私が立ち寄った道の駅では、お茶コーナーのラインナップは蕎麦茶や蕎麦コーヒーが主でした。

釜炒り茶、発見!しかし…

そしてついに、とある道の駅で「釜炒り茶」を見つけました。しかし、裏面を見てみると…

「原材料名 緑茶(宮崎県産)」あの釜炒り茶生産量1位の宮崎県です。
えーー!因尾茶じゃない…

今回のお目当て、佐伯市の「因尾茶」ではありませんでした。大分県内であればどこかで買えるだろうと思っていましたが、読みが甘かったようです。

諦めて帰路に着く…

佐伯市でなくては手に入らないのかと肩を落として飛行機に乗るべく手荷物検査へ。すると目の前に、お土産売り場のお茶コーナーがありました。そこには…!

「大分」釜炒り茶!佐伯市本匠、因尾茶です。
リーフの取り扱いはなかったのでティーバッグを購入。ほくほくした気持ちで搭乗しました。

念願の因尾茶、そのお味は

さて、今回購入したのはこちら。5箇所目にしてようやく見つけた因尾茶を、実際に飲んでみました。

美味しく淹れるコツ

パッケージを開けるとすぐに、香ばしい香り。裏面に、美味しい淹れ方のコツが載っていたので、それに従って淹れてみます。

ティーバッグを開けてみました

この、くるんと丸まった茶葉も、釜炒り茶の特徴です。
CHACHACHAブログライター陣にも振る舞ったのですが、茶葉がすごくたくさん入っている様にみえる!と声があがりました。内容量はティーバッグひとつあたり3gと、ごく一般的。茶葉が丸まっているために、かさが多く見えるのかもしれません。

茶葉がぎゅっと引き締まっているので、開くのに少し時間がかかります。そのため蓋をして蒸らし、2分間じっくり待つのがコツのようです。
カップに乗せられる蓋を持っていないので、ティーバッグごと急須に入れてみました。

引き上げてみると、ティーバッグいっぱいに茶葉が広がって膨れていて、なんだか贅沢に茶葉を使っている気分になります。

初めて出会う香りと味わい

水色はとても綺麗な黄金色。細かな浮遊物はほとんどなく、透き通っています。お湯を注いだ瞬間に、香ばしい香りが立ち昇ります。
水色(すいしょく)の比較のために、六煎茶も淹れてみました。

左:因尾茶(大分釜炒り茶) 右:六煎茶

香ばしいけれどほうじ茶とは全く異なる初めての味わいです。CHACHACHAライター陣からは、独特の香ばしい味わいはどちらかというと黒豆茶に近いかもという感想がありました。
また、口に含むと甘味の奥に少しの酸味が感じられ、スズランのような爽やかで芳しい香りが鼻に抜けます。これが「釜香(かまか)」と呼ばれる特徴的な香りでしょうか。
旨味を愉しむ煎茶と比べると、香ばしくも非常にさっぱりとしています。因尾茶は、和食はもちろん、中華と一緒に愉しむのも合いそうだなと思いました。

佐伯市本匠の地の利とは

標高の高さや昼夜の寒暖差が大きいことにより茶の樹が強くなるそう。また、番匠川から立ち昇る朝霧によって適度に日光が遮られ、渋みが少なく甘みのあるお茶になるそうです。
そのような恵まれた環境のもと、多くの茶園で有機栽培に取り組みながら伝統の味を守り続けています。

そしてパッケージには何やら袋を運ぶ鳥が描かれています。コウノトリでしょうか。国の特別天然記念物にも指定されていて、その希少性や「幸福を運ぶ」といういわれにもあやかり、モチーフにしているのかもしれません。

釜炒り茶のパッケージには、「特上」「特撰」の文字が。

今回、因尾茶をきっかけにお茶の製法の歴史に触れることもできました。他の製法では出せない釜炒りならではの味わい。その技術の継承は担い手不足などにより縮小しています。その希少性が価値になり、購買活動が少しでも応援になれば、と思いを馳せました。
なにより、その土地ならではのものに出会うのは楽しく、旅のあとも自宅で旅先の味覚を楽しみながら余韻に浸ることができるというのも、醍醐味ですね。
みなさんも是非、旅先でその土地で作られるお茶との出会いも楽しんでみてはいかがでしょうか。

ホテル内風景

ホテル1899東京

伝統とモダンが交差する
寛ぎの場所

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