みなさんからの「お茶のギモン」にお答えします!(後編)
1月のCHACHACHA通信で募集した「お茶にまつわるギモン」には、想像以上にたくさんの声をお寄せいただきました。
ご参加くださったみなさん、本当にありがとうございます。
【前編】では、お茶の淹れ方や茶葉の保存方法など、日々のお茶時間にすぐ役立つQ&Aをご紹介しました。
そして今回は、後編。
引き続き、日本茶インストラクターの坂上に、読者のみなさんから寄せられたギモンをぶつけていきます。
もう一歩踏み込んだテーマにも触れながら、
お茶の世界をさらに深掘りしていきましょう。
目次
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①味・香り・うま味の判断
- Q1. 人それぞれに「美味しい」と思う温度は違うの?
- Q2. そもそも「おいしいお茶」とは?
- Q3. 「お茶屋さんのお茶は香りも良くて美味しい」と感じるのはなぜ?
- Q4. お茶は何煎目が一番美味しいの?
- Q5. 美味しい茶葉の見分け方
- Q6. お茶の「うま味」はどのように判断すれば良い?
- Q7. 和紅茶はなぜ味わいが柔らかいのか?
- Q8. お茶を淹れる人によって味が変わるのはなぜ?
②抹茶のギモン
①味・香り・うま味の判断

Q1.人それぞれに「美味しい」と思う温度は違うの?
坂上:
はい、違うと思います。
その人の飲み方のクセ、味蕾の数も違うし、口の中のどこに運ぶかの癖もあるので、違うと思います。
また、 同じお茶でも、
・香りを楽しみたい人
・甘みを感じたい人
・すっきり飲みたい人
で「美味しい」と感じる温度は変わります。
一般的な目安はありますが、
最終的には“自分が美味しいと感じた温度が正解”。
その日の体調や気分でも変わるので、ぜひ少しずつ温度を変えて試してみてください。
Q2.そもそも「おいしいお茶」とは?
坂上:
とても本質的なギモンですね。
わたしが思う「おいしいお茶」は、飲んだあとにもう一回飲みたいと思えるかどうか。
お茶の品評会となるとまた視点が異なってきますが、
高級かどうかや、希少かどうかでおいしさを判断するのではなく、
・香りが心地いい
・口当たりがよい
・飲み終わったあとが重くない
こうした感覚が自然にそろっていることが大切です。
「自分にとって心地いいかどうか」を基準にしてもらえたらと思います。

Q3.「お茶屋さんのお茶は香りも良くて美味しい」と感じるのはなぜ?
坂上:
お茶屋さんで取り扱っている製品そのものが香りの高い茶葉なのか、
そういうことではなくて、人が淹れてくれたお茶がおいしく感じるという意味であれば、料理を作ってもらったらおいしく感じるのと一緒で、淹れてくれる人が思いを込めて入れてくれたからおいしく感じるのかも。
香りが良い理由はいくつかありますが、
一番大きいのは原料の茶葉の状態と、扱い方です。
・摘み取りのタイミング
・製茶の丁寧さ
・保存状態
これらがきちんと整っていると、
お茶本来の香りが素直に立ち上がります。
ギモンを寄せてくれた読者の方が訪れたお茶屋さんの、保存から提供に至るまでのこだわりが、香りも味も良いと感じられた要因かもしれませんね。
Q4.お茶は何煎目が一番美味しいの?
坂上:
好みにはよりますけど、一煎目かな。
一煎目がうま味を感じやすいことが多い、ということもあります。
一般的には
・一煎目:香りとうま味
・二煎目:バランス
・三煎目以降:すっきり感
と言われますが、
「二煎目が一番好き」という方も多いんですよ。

Q5.美味しい茶葉の見分け方を知りたい。
坂上:
スーパーなどでは、茶葉の中身を見て買えることは少ないので、どこで見分ければよいか難しいですよね。
茶葉を見ることができるのであれば、
例えば煎茶でいえば、
・針のように細く伸びていてよく閉まっている、平べったくない
・大きさが均一
が判断のポイントになると思います。
あとは、感覚的な部分もありますが、
・なめらかそう
・質量感がある(ずっしりしそうな見た目)
・光沢、つやが葉っぱにある
・鮮やかな色
これらのポイントも意識してみるとよいと思います。
反対にいうと、「ガザガザしてそう」、「軽そう」という茶葉でないか。
最後はやはり、飲んでみてどう感じるかが一番の判断材料になります。

Q6.お茶の「うま味」はどのように判断すれば良い?
坂上:
まず、「うま味」がどんな味わいのことを指しているのか、というと、出汁に近い味を感じたら、それがお茶のうま味。
海苔とか昆布とかの味わいがする、魚っぽいと言ったりする人もいます。
うま味は、味を決める重要な要素なので、是非楽しんでほしいお茶の味わいではあります。
舌に残るやさしい甘さと、喉を通ったあとの余韻で感じ取れます。
・苦味や渋味が強すぎない
・飲み終わったあとに口の中が心地いい
この感覚があれば、うま味のあるお茶と言えます。
Q7.和紅茶はなぜ味わいが柔らかいのか?
坂上:
茶葉には、緑茶に向いている品種と、紅茶に向いている品種、それぞれ向き不向きがあります。
日本で栽培されているお茶の木は、緑茶に向いている品種が多いです。
紅茶の品種を使っているところもでてきていますが、
日本の、気候、土壌、水など、
海外と同じ木は日本では育てづらいし、同じにはならない、という面があります。
その中でも、香りがしっかりめの和紅茶もできているようですよ。

Q8.お茶を淹れる人によって味が変わるのはなぜ?
坂上:
淹れる人によって味わいは変わるんですよ。力の入れ加減、スピードも違いますので。
お茶はとても正直で、
淹れる人の動きや感覚がそのまま味に出ます。
・お湯の注ぎ方
・待ち時間
・急須の扱い
同じ茶葉でも、これだけで味は変わります。
だからこそ、お茶は「人がつくる飲み物」。
上手・下手ではなく、
その人らしい味になると思って楽しんでくれたらと思います。

②抹茶の疑問

Q9.偽物の抹茶商品の見分け方は?
坂上:
これは回答に悩む質問で、なにを偽物ラインとするかがとても難しいんです。
抹茶の定義は、業界団体で自主的に定めているところもありますが、実は明確な定義がないのです。
抹茶は「碾茶を茶臼で挽いて粉末にしたもの」なのですが、注釈で、臼と同じように粉末にできるものもOK、挽いてなくて砕いてもOKとなっています。
さらに、碾茶ってなに?となると、
収穫前の一定期間遮光して、収穫⇀碾茶工場で蒸して⇀乾燥、選別してできるものです。
昨今の世界的な抹茶ブームもあり、抹茶の生産量をあげるために農家さんもさまざまな取り組みをされています。そこで最近入ってきているのが、秋碾茶(秋に収穫する碾茶)というもの。
本来、新茶(一番茶)の時期に収穫して作っているものが、秋にも収穫するものもでてきたようです。秋に収穫となると2回目になるので、当然、味は落ちてしまいます。
また、もが茶(簡易煎茶)というのも、でてきているそうです。
これは煎茶を作るための材料(被覆していない茶葉)を、碾茶工場じゃなくて煎茶工場で乾燥させ粉末状にしたものです。
碾茶と見た目は似ていますが、工程、栽培が違うものです。
被覆工程がない分、コストが抑えられるので、安価な抹茶となると、もが茶が原料の場合もあると思います。
ただ、碾茶100%の抹茶なのか、それとも、もが茶が使用されているのかは、消費者は見分けるのが難しいのです。
例えば、原材料として、もが茶を70%使っていますとなっていても、表示ルールは「原材料:抹茶」で良いんです。
なので、どこからが本物で、どこからが偽物なのかのラインがとっても難しいのです(泣)
明らかな偽物は、原材料として別のものが含まれているというのもあるので、原材料表示を見て最低限、確認したほうがいいかな、とは思います。
Q10.緑茶パウダーと抹茶の違いは?
坂上:
上記でご説明したように原材料の違いです。
抹茶は「碾茶(てんちゃ)」を石臼で挽いたもの。
一方、緑茶パウダーは煎茶などを粉砕したものです。
製法も味わいも異なります。
日常使いなら、薄茶向き・製菓用と明記された抹茶がおすすめです。
点てても、ラテにしても使いやすく、価格と品質のバランスが取れていますよ。

前編、後編と2回にわたってご紹介した、たくさんのギモン。
私自身、うなずきながら読み、坂上のお話に何度も納得させられました。
お茶は知れば知るほど奥深く、面白いなと感じました。
これからも、日常のお茶時間を楽しむヒントをお届けしていきたいと思います!



