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紅茶を急須で淹れてもいいの?急須で見つけた新しいおいしさ

2026.01.31

和田麻由

紅茶を急須で淹れてもいいの?

紅茶といえばティーポット、緑茶といえば急須。
そんなイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。

けれど、ふとこんな疑問が浮かんできました。
「紅茶って、急須で淹れてもいいの?」

ティーポットで紅茶を淹れる理由と、急須で淹れるからこそ感じられる良さを整理しながら、紅茶と急須の意外な関係を調べてみました。

なぜ紅茶はポットで淹れるのが一般的なの?

紅茶をポットで淹れる習慣が定着したのは、18〜19世紀のイギリス。当時の紅茶は来客をもてなす飲み物または、家族や複数人で楽しむ飲み物、という位置づけだったとか。
そのため、一度に数杯分をまとめて淹れられる容器が必要になり、ティーポットが使われるようになったと言われています。

ポットが“紅茶向き”とされているのには、いくつか理由があります。

茶葉が「ジャンピング」しやすい

紅茶を美味しく淹れるために欠かせないのが、「ジャンピング」。
これは茶葉が湯の中で上下に動き、十分に開いて成分を浸出する現象です。

一般的なティーポットは、胴が丸く、内部に高さと空間があり、茶葉が自由に動きやすい、
という構造になっています。
この空間があることで、茶葉がしっかりジャンピングし、
渋味・旨味・香りのバランスが取れた紅茶になりやすいのだそう。

特に中国やインド、スリランカなどで生産される紅茶は、
・葉が大きい
・撚り(より)が強い
・湯の中で大きく広がる
という特徴があります。
これらの茶葉は、
湯量が多く、内部に空間のある容器で淹れることで、上下に動く「ジャンピング」が起こりやすくなるんだとか。

香りを閉じ込め、引き出しやすい

紅茶の大きな魅力のひとつが、華やかで立体的な香りですよね。
ポットはフタ付きで密閉性が高く、注ぎ口が高い位置にあることで、揮発しやすい香気成分を逃がしにくく、また蒸らし時間中に、香りが湯の中に戻る、というメリットがあります。

特にダージリンやアールグレイなど、
香りを楽しむタイプの紅茶では、ポットの構造が理にかなっていると言えますね。

味わいを均一にしやすい

ポットは容量が比較的大きく、複数杯分を一度に淹れる前提で作られています。
そのため、茶葉と湯の接触が安定しやすく浸出ムラが起こりにくい、という特徴があります。

高温・長時間浸出に耐える構造が必要だった

紅茶は基本的に、熱湯(95〜100℃)で3〜5分の浸出が目安です。
ティーポットは、厚みのある陶磁器でフタ付きで保温性が高いため、紅茶に必要な温度を保ちやすい、というのもポットが紅茶向きだとされている一つの要素です。

「急須で紅茶」はダメ?

では、急須で紅茶を淹れるのは邪道なのでしょうか?
答えは、まったくそんなことはありません。

むしろ、日本の急須だからこそ生まれる紅茶の楽しみ方があるらしい、とのことで、
1899ブランドの飲料全般の企画開発を担当する、日本茶インストラクターの坂上克仁に「紅茶を急須で淹れるメリット」について教えてもらいました。

まず、ティーポットと急須の違いを整理してみましょう。

ティーポットと急須って何が違う?

「急須」といっても、最近は様々なタイプの急須がありますよね。
見た目はポットのようでも「急須」と呼ばれるものや、急須に近い構造を持つティーポットも増えてきました。
では、ティーポットと急須は何が違うのでしょうか。

一般的なティーポットと急須のそれぞれの特徴を比較してみると…

 

特徴 容量と空間の違い フタと密閉性の違い
ティーポット ・茶こしが独立型、もしくは後付け
・本体内部に広い空間がある
・茶葉が湯の中で自由に動ける
・茶葉をしっかり開かせ、香りと味を引き出すための構造
・胴が高い
・内部に上下方向の空間がある
・フタが深くはまり、保温性が高い
急須

・注ぎ口の付け根、もしくは内部に茶こしが付いている
・比較的短時間で注ぎ切ることを前提としている

・茶葉が湯の中で大きく動かなくても、成分が出やすい日本茶に適している

・容量が小さめ
・胴が低く、横に広い形状
・湯温が下がりやすく、蒸らしすぎを防ぐ

近年は、両方の特徴を併せ持つものも増えてきていますが、ティーポットと急須の違いは、茶葉をどう動かし、どう浸出するかという構造の違いにあるようです。

こうした構造の違いを踏まえると、急須で紅茶を淹れることには、いくつかのメリットがあります。

急須で紅茶を淹れるメリット①
少量でも淹れやすく、気軽

急須はもともと、一人分〜二人分を淹れる、その都度淹れることを前提に作られています。
「今日は一杯だけ紅茶を飲みたい」
「食後に少しだけ紅茶を飲みたい」
そんなときは、急須がぴったりですね。

急須で紅茶を淹れるメリット②
繊細な味わいをコントロールしやすい

急須はポットに比べて容量が小さく、浸出時間や湯量の影響がダイレクトに出ます。
そのため、
「渋みを抑えたい」
「軽やかな味にしたい」
といった細かな調整がしやすいのも特徴です。

急須で紅茶を淹れるメリット③
日本茶に近い「旨み」を感じやすい

急須は湯切れがよく、最後の一滴まで注ぎ切ることを前提とした道具です。
この「注ぎ切る」という淹れ方によって、浸出後は茶葉がお湯に浸ったままにならず、結果として雑味が出にくくなります。

紅茶でも、「すっきり」「やわらか」「食事に合わせやすい」味わいになりやすいです。
日本茶好きの方には、急須でいれた紅茶は親しみやすいかなと思います。

和紅茶と海外の紅茶、急須に向いているのはどっち?

ずばり、和紅茶のほうが急須と相性が良いそうです。
しかしながら、どんな味わいの紅茶を淹れたいかによって、海外の紅茶であっても、急須を使用して楽しめます。

和紅茶は、急須と高相性

和紅茶(国産紅茶)は、
・緑茶用品種を使っている
・香りが穏やか
・渋みが出にくい
といった特徴があります。

急須で淹れることで、「やさしい甘み」「ほのかな香り」「透明感のある味わい」が引き立ち、「紅茶だけれど、どこか日本茶らしい」一杯に感じられると思います。

海外の香り高い紅茶は目的次第で使い分け

ダージリン、アールグレイなどの海外紅茶は、
・香りが強い
・茶葉が大きい
・ジャンピングによる浸出が重要
という特徴があります。

「香りをしっかり楽しみたい」「紅茶らしいコクを味わいたい」という場合は、ティーポットの方が向いています。

ただ、「今は香りを少し控えめにして味わいたい」「食事と一緒に軽やかに飲みたい」といったシーンでは、急須で淹れるのも十分アリです。

急須で紅茶を淹れるときのちょっとしたコツ

\ 日本茶インストラクターに聞いた/
紅茶を急須で楽しむために意識するポイント

・浸出時間は茶葉の大きさで調整
(大きめの葉っぱだと浸出時間を長めにしたり、反対に小さめの葉っぱは短くしてみたりします)

・茶葉はやや少なめに
(急須の大きさに対して、葉っぱが多すぎると茶葉1枚1枚が開きづらくなり、その分味わいがしっかりでないことにつながります。お湯に浸った時にゆったり開きそうな量で調整してみてください)

・お湯の温度は熱湯が基本です。
(重厚感ある深みや香りを楽しみたい場合やそれが特徴のお茶を淹れる時には、温度を下げないために、先に急須を温めておくのがGOOD)

・しっかり注ぎ切る

これらを意識することで、「急須紅茶」がぐっと美味しくなるそうです!

また、陶器の急須だと淹れ方によってはにおい移りの心配もあるので、緑茶用と兼用で臭い移りが気になる場合は、炻器や磁器、釉薬があるタイプ、ガラス製の急須のほうがおすすめだそうです。

1899で提供している和紅茶「紅優香」とは?

1899では、和紅茶も急須で淹れてご提供しています。
使用している和紅茶「紅優香」は、葉っぱを動かさなくてもしっかり味わいや香りが楽しめる茶葉です。和紅茶ならではの優しい味わいが特徴で、浸出時間も短くても、しっかりと淹れられます。
そのため、ティーポットのように高さのある茶器でなくても平気なので、「急須に親しんでいただきたい」という思いから、急須を使用しています。

ティーポットと急須、それぞれ淹れた紅茶を比べてみた

香りや味わいにどのような違いが出るのかを確かめるため、ティーポットと急須で淹れた紅茶を飲み比べてみました!
比べてみたのは、アールグレイ(中国産)と和紅茶(京都府産)です。

結果はこちら。

まずはアールグレイ。

ティーポットで淹れたほうが水色は濃く、淹れた直後の香りもはっきりと立っていました。
一方で、飲み終えたあとの余韻の香りは、急須で淹れたアールグレイからも十分に感じられました。

味わいについては、ティーポットで淹れたもののほうが渋味やコクがしっかりと感じられました。
対して急須で淹れたものは、渋味が穏やかで、全体的にすっきりとした印象です。透明感ある味わいと言われているのが、まさにその通り!と感じました。

次に和紅茶。

もともと香りがやさしいため、ティーポットで淹れたほうがやや香りは立っていましたが、急須との差は大きく感じませんでした。
水色も、ティーポットのほうがわずかに濃い程度です。

味わいに関しては、ティーポットで淹れた和紅茶は、甘味に加えてほんのりと渋味も感じられ、バランスの取れた印象でした。
一方、急須で淹れた和紅茶は、まろやかな甘味が際立っており、そのやさしい飲み口に、思わず驚かされました。

同じ茶葉でも、淹れる道具が変わるだけで、香りや味わいにこれほど違いが生まれるとは、あらためてお茶の奥深さを感じます。

おわりに

ポットにも急須にも、それぞれに適した役割があります。
正解はひとつではなく、シーンや気分によって使い分ければ楽しみ方の幅が広がりそうですね。
「今日はしっかり香りを楽しみたい日」、「今日は気軽に一杯だけ飲みたい日」。
そんな日常の選択肢に、急須で淹れる紅茶を加えてみてはいかがでしょうか。

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