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玉露とは?日本を代表する高級茶の正体とは

2023.02.11

クミコ

玉露とは?日本を代表する高級茶の正体とは

寒い日が続き、温かい飲み物が特においしく感じられる季節ですね。

皆さんは普段、家やお店でお茶を召し上がるときには、どのような茶葉を選びますか?

最近では煎茶、紅茶、ほうじ茶、ハーブティーなど、お店のメニューやスーパーの茶葉コーナーで、さまざまな種類の茶葉を気軽に味わったり、購入したりすることが可能になりました。

しかし、その中には普段から頻繁に口にすることがない、いわゆる「高級品」の茶葉の名前を目にすることもあるかと思います。

今回のブログでは、身近なお茶である緑茶の中でも高級茶として分類される「玉露」にスポットを当て、その魅力と正体を紐解きます。

名前は知っているけれど…玉露とはどんなお茶ですか?

玉露とは?

高級茶として有名な「玉露」は、緑茶の一種です。

一番茶の新芽が伸び出した頃から茶畑を20日前後覆い、遮光率70~90%で日光を遮った茶畑から摘採した茶葉を、蒸熱、揉捻、乾燥させて製造したお茶のことをいいます。

玉露

煎茶、かぶせ茶との違い

「玉露」という名前を耳にしたときに、なんとなく高級なお茶というイメージが湧く方もいらっしゃると思います。

では、ほかのお茶、例えば煎茶やかぶせ茶とはどのような違いがあるのかご存知でしょうか。

実は玉露も煎茶もかぶせ茶も、お茶の木自体は同じものです。

それぞれのお茶で異なるのは茶葉の栽培方法で、その栽培方法が異なることによって、お茶の味にも違いが生まれます。

出典:宇治園

玉露と煎茶との違いとは

玉露と煎茶では、使用する茶葉の部分と育て方が異なります。

煎茶は、新芽が出てから摘み取りまで日光を浴びたまま育てます。

一方、玉露は茶摘みの3週間ほど前から日光を遮って育てます。遮光率は最初70%ほどで、徐々に遮光率を上げ、茶摘み前には90%ほどにします。

玉露とかぶせ茶との違いとは

玉露とかぶせ茶の違いもまた、育て方の違いです。

かぶせ茶は玉露と同様に日光を遮って育てますが、遮光期間は茶摘み前の1週間~10日前後。遮光率も玉露とは異なり、50%が一般的だそうです。

玉露が甘みを感じるのはなぜ?

玉露の甘みには、「テアニン」という甘み成分が関係しています。

テアニンは日光に当たると渋み成分のカテキンに変化してしまいます。

そのため、遮光して育てる玉露は、テアニンがカテキンに変わるのを抑え、甘み成分をしっかり残したまま味わえるというわけです。

出典:茶の間

玉露茶葉の緑色の秘密

玉露の茶葉が持つ鮮やかで濃い緑色は、茶葉に含まれるクロロフィル(葉緑素)の量にあります。

クロロフィルとは、植物の緑色色素成分のこと。光合成を行ううえで重要な役割を担います。

遮光して育てる玉露やかぶせ茶の場合、少ない光をより吸収しようとするため、クロロフィルが大量に作られ、より濃い緑色になるという仕組みです。

出典:お茶百科

玉露の茶葉

玉露特有の香り「覆い香」

玉露を味わうなら、旨味だけではなく、豊かな香りも注目ポイントです。

玉露には、「覆い香」と呼ばれる、口に含んだ瞬間に鼻へ抜けていく特有の香りがあります。「青海苔のような香り」と表現されることもあるようです。

日光を遮ることによって、熱で失われやすい繊細な香りも楽しめる、奥深いお茶が出来上がります。

高級茶として名高い玉露、その理由とは

先述の通り、玉露の栽培には、茶畑を遮光素材で覆う「被覆」と呼ばれる作業が必要です。この作業だけでも、かなりの手間がかかります。

加えて玉露は、新芽から作られた「一番茶」のみを贅沢に使用しているため、収穫できるのは年に1度。希少価値も高まります。

そして新芽の茶葉はとても柔らかく、機械で摘むことができないため、玉露の新芽を摘む作業はすべて手作業で行われます。

摘まれた茶葉は目視検査を経て、人の手で丁寧に手揉みされ、玉露が完成します。

玉露を高級茶たらしめているのは、茶葉に込められた生産者の技と時間でした。希少性が高いお茶であるため、その価値も必然的に高まります。

気品ある甘露の味わい「玉露」その名の由来

玉露の始まりには諸説あるようです。

広く知られているのは、海苔でもおなじみの「山本山」の6代目・山本嘉兵衛さんが、京都府宇治市の茶製造所へ赴いた際の逸話です。

茶葉をかき混ぜてみたところ、乾燥するにつれて丸い形に仕上がりました。それを飲んでみると、気品ある風味と美しい水色のお茶が得られたため、「玉露」と命名されたというものです。

その後、明治初期頃に製茶業者の辻利右衛門という方が、現在見られるような棒状に茶葉を仕上げる製法を完成させたといわれています。

なお、京都府宇治市の巨椋神社境内には、この玉露誕生の逸話にちなみ、「玉露製茶発祥の碑」が建立されています。

玉露

京都だけじゃなかった!日本三大玉露産地

京都で産声を上げた玉露ですが、今日では京都以外の場所でも生産されています。

ここでは、現在「日本三大玉露産地」と呼ばれている地域についてご紹介します。

朝比奈玉露(静岡県)

清流・朝比奈川の両岸斜面に茶畑が広がる山間の町、朝比奈地区は、静岡県藤枝市にあります。

お茶の栽培に適した自然環境から、その歴史は古く、室町時代には朝比奈地区で茶の栽培が始まっていたという記録が残っているそうです。

宇治玉露(京都府)

京都府宇治市では、主にてん茶(抹茶の原料)と玉露を生産しています。

4月から5月にかけては、両品種とも新芽の時期に日光を遮る必要があります。そのため、この時期の宇治市では、茶畑が覆いによってすっぽりと覆われ、茶樹の姿が見えなくなります。

化学繊維素材の寒冷紗による被覆が多い昨今、宇治市では400年以上の伝統を持つ、葦で編んだ葦簀と藁による伝統的な「本ず被覆」を行い、宇治独特の古き良き景観を継承しています。

八女伝統玉露(福岡県)

八女茶の始まりは、僧・周瑞が1423年(応永30年)に中国より帰国後、霊巌寺を建立するとともに、お茶の栽培を伝えたことが由来といわれています。

八女市は、県内第一の茶園面積と生産量を誇っています。その中でも、旧星野村地区の中山間部にある星野村は、八女伝統本玉露の生産地です。

八女伝統本玉露は、1904年(明治37年)の玉露生産開始以来、自然の樹姿を生かした仕立て方である「自然仕立て」を採用しています。

さらに、茶芽の生育に適した被覆内の湿度・温度環境が得られる「藁資材の棚被覆」を用い、新芽の柔らかい部分を均等に収穫できる「手摘み」によって生産されます。


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