
ご存知ですか?新茶ができるまで
新茶とは、その年の一番初めに芽吹いた芽と茶葉を摘み採ってつくるお茶のこと。
冬を越えて栄養分を蓄えた新茶の葉は、みずみずしい香りをまといながら、新緑の時期にしか楽しめないすっきりとした味わいのお茶になるのです。
そんな新茶が、茶畑でどのように育てられ、わたしたちの手元に届くのか。
新茶を飲んだことがあっても、意外と知らないという方が多いのではないでしょうか。
埼玉県狭山市にある「宮野園」の茶匠、宮野圭司さんにご協力いただき、その様子を記録させていただくことができました。
「新茶ができるまで」を生産者さんの想いと共にお届けします。
2025年3月4日
雪の日のうす暗い、狭山市宮野園の茶畑です。
こんなに積もって大丈夫?と思ってしまいそうですが、ご安心を。
この寒さがあってこそ、狭山茶の味が作られるのだそうです。

2025年3月21日
新茶の収穫に向けて、肥料を散布するシーズンになりました。
宮野園では、2月と3月に肥料をまいているそうです。
1899の茶バリエが、茶畑での肥料まきを体験させていただきました。
重い肥料を運んだり、広い畑を自分の足で歩きながら肥料をまくのは重労働!
こういったお世話の積み重ねでおいしいお茶ができるのですね。
お茶の木の様子は、冬を越えた緑色が濃く固い葉がついていて、まだ新芽は見当たりません。


2025年3月26日
「春整枝(はるせいし)」という作業が行われました。
「整枝」とは、摘採面を均一にならす作業のこと。
二人組で茶畑の畝を挟みながら向かい合って立ち、「二人用刈ナラシ機」という機材を使って葉や枝を整えていきます。
この作業によって、面が揃い、機械での摘採時に古い茶葉や枝が収穫した茶葉に混入しなくなるのだそうです。
ここからどんな風に新芽が顔を出すのか楽しみですね。


2025年4月14日
オチャノキに近付いてよく見てみると・・・新芽が出てきています!
緑色が鮮やかで、柔らかそうですね。
この繊細な新芽、寒さに弱く霜が苦手なんだそう。
そこで霜害から新芽を守ってくれるのが「防霜(ぼうそう)ファン」です。
上空にある暖かい空気を地表に吹き付けることで新芽に霜が付くのを防ぐ仕組みになっています。
元気な新茶の葉に育ってほしいですね。


2025年4月19日
顔を出した新芽が、日に日に伸びています。
これからどんな風に成長していくのでしょうか。
新茶の季節が待ちきれません。

2025年4月28日【番外編】
屋久島産の新茶が店舗に届きました。
さすが “日本で一番早く新茶がとれる”とも言われる屋久島。
関東と比べるとお茶の仕上がりも早いですね。
茶葉がしっかりしていて、大自然を連想させる、力強い味がしました。

2025年5月14日
新芽が元気いっぱいに伸びています!
茶畑全体が青々としていて、とてもきれいです。
いよいよ近日中に摘み取りが始まるそうです。

2025年5月16日
見守っていた茶畑で、ついに摘み取りが行われました。 雪を被る姿から見守っていたオチャノキから、ついに新茶ができます。

2025年6月2日
宮野さんから1899オリジナルの深蒸し煎茶「六煎茶」が届き、店舗で提供がスタートしました。
急須で淹れてみると・・・
水色は明るい黄緑色。発光するような美しさがあります。
強いうまみを楽しむことができる、
とってもおいしいお茶です。
昨年の六煎茶の味わいとも違っていて、これもまた新茶の面白さですよね。
一期一会の「今年の味」です。

以上が、冬が明ける頃から、初夏に新茶がお店に届くまでの流れです。
今回ご紹介できたのは、新茶ができるまでの一部分です。
お茶畑では、このほかに毎日のお世話が行われています。
摘み取った後には「製茶」という、葉っぱをいわゆる「茶葉」にしていく工程や、複数の茶葉をブレンドする「合組」の工程が必要です。
日頃何気なく飲んでいるお茶ですが、この時期は旬の新茶を選んでみたり、その新茶ができるまでに思いを馳せてみると、よりおいしく頂けるかもしれませんね。
1899では、毎年新茶フェアを開催しています。
2025年は、6月30日まで。
ぜひぜひお楽しみください。
