日常茶飯事の意味とは
皆さん、「日常茶飯事(にちじょうさはんじ)」という言葉の意味はご存知でしょうか。
きっと誰しもが一度は聞いたことがある言葉ですよね。
ですが、その意味や、言葉が生まれた背景をご存知でしょうか。
実は「日常茶飯事」は、お茶料理を提供する1899としても重要な意味を持っている言葉です。
日常茶飯事が生まれたのは江戸時代
「日常茶飯事」が生まれたのは江戸時代中期。煎茶文化が日常へ広がったことに伴い生まれた言葉です。
ここで、簡単に日本茶の歴史をご紹介します。
1738年、煎茶が誕生しました。煎茶を作ったのは永谷宗円。蒸し製茶の創始者といわれています。
この方の子孫が、現在お茶漬けで有名な企業を創業するなど、それまで抹茶が中心であった日本茶の歴史において、重要なターニングポイントになっています。
その後、隠元禅師の弟子である「売茶翁(ばいさおう)」という方が、簡素な喫茶様式として煎茶道を流行らせました。売茶翁は九州の佐賀の方だそうです。
この煎茶道が日本の文人たちの間に広まり、抹茶が武士の間で嗜まれていたのに対して、文人の煎茶趣味として煎茶文化が発展していったといわれています。
この煎茶文化の日常への広がりから、日本人の中で「お茶を飲むこと」と「ご飯を食べること」は一体であり、切り離すことができないものとして、「日常茶飯事」という言葉も生まれてきました。
日本人にとってのお茶には、「茶道としてのお茶」と「日本型食生活を支えるお茶」という二つの側面があると考えられます。
この「日本型食生活」とは、主食が米飯で、それを支える飲み物がお茶であるというものです。
これが、日本人にとって当たり前の食生活、すなわち「日常茶飯事」という言葉につながっています。
日常茶飯事にはさまざまな意味が
日常的にお茶と食事をともにする習慣は、昔から続くものですが、実は糖の急上昇を抑えるという点でも、理にかなった先人の知恵といえます。
現在では、こうしたお茶の機能性について、さまざまな研究が行われていますよね。
日常茶飯事には、「体をいたわる科学的な側面」と「茶道の精神性によって心をいたわる文化的な側面」があるのです。
食品には、以下の3つの機能性があると考えられています。
- 栄養素の補給
- 嗜好の満足
- 生命機能の調節
戦後は貧しい時代ですから、食品からの栄養補給が重要であり、一つ目の「栄養素の補給」が求められる要素でした。
その後、時代がだんだんと豊かになり、ただ栄養素を補給するだけでなく、二つ目の要素である「嗜好の満足」を求めるようになります。
時代の変化とともに食事へのニーズも変化し、現在では三つ目の「生命機能の調節」に注目が集まっています。
機能性食品に代表されるように、食品が持つ体の調整機能に注目が集まり、多くの人がそれを求めています。「トクホ」と呼ばれる特定保健用食品も多く販売されていますよね。
今後はどうなるでしょうか。
1899では、その三つの機能性に加えて、お茶の持つ力を通して「心の満足」を大切にしていくことを、四つ目として考えています。
レストランのディナータイムではアルコールも提供していますが、お茶をコンセプトとした1899では、急須で淹れたお茶が看板商品です。
緑茶だけでなく、和紅茶やほうじ茶など、お客様それぞれの好みに合わせたお茶をご用意しております。
お茶を淹れる過程や、浸出時間、注ぎ方による味の変化。お茶があることで食卓が彩られることはもちろん、お茶に触れる一つひとつのシーンが、食事の時間をより豊かにしていきます。
また、1899が提供するお茶料理には、お茶をさまざまな形で取り入れています。
- お茶の緑色や風味を楽しむ
- お茶を直接食べることで、食物繊維などの栄養素を一緒に取り込む
- カテキンなどによる抗菌・抗毒作用といった、お茶の効能を引き出す
普段食べる機会が少ないお茶料理を通して、お茶の持つ力を感じることができるのです。
1191年、栄西禅師が中国・宋から茶種を持ち帰ったことから始まる、「日本人がお茶に魅了されてきた歴史」がこの食材にはあります。
ただ味わうだけではない精神性が、そこにあるのです。
お茶はおいしい薬であり、心の薬でもあるのです。
多様性も大切ですが、改めて日本型食生活の価値を見直し、ご自宅の食卓をどのように彩るか、今一度考えていただければと思います。
レストラン1899お茶の水でご提供しているお茶料理・ドリンク(2020年9月現在)


※今回は、以前1899にお越しいただき、お茶料理を指導いただいた先生のお話をもとにまとめました。



