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和紅茶ってどんなお茶?紅茶との違いとは|1899 CHACHACHA BLOG

2021/11/09 茶を食す話 1899茶バリエ

和紅茶ってどんなお茶?紅茶との違いとは|1899 CHACHACHA BLOG

和紅茶ってどんなお茶?紅茶との違いとは

『和紅茶』って、聞いたことがありますか?

CHACHACHAブログ講読者の皆さん、こんにちは!
レストラン1899お茶の水の茶バリエ、神村です。

秋も深まり、肌寒い日が増えてきましたね。
今回は、和紅茶とは紅茶とどのように違うのかをご紹介していきます!

皆さんは『和紅茶』とは何かを聞いたことや飲んだことはありますか?
私は恥ずかしながら、数年前まではコンビニなどで売っているペットボトルの紅茶を飲むことが多かったので、聞いたことすらありませんでした…
そんな『和紅茶』と最初に出会ったのは、現在働いている1899です。

そもそも和紅茶とは何か?

皆さんは、紅茶って聞くとどこの産地をイメージしますか?
イギリスで飲まれている印象が強いからイギリス産?
いやいや、お茶と言えば中国でしょ!
そんな色んな答えが出てくるでしょう。
紅茶の産地で有名なのは世界三大紅茶のインド・スリランカ・中国でしょうか。
国名を聞いてもパッとはしない方もいると思いますが、インドのダージリン、スリランカのウバ、中国のキームンと言われたら、少しは聞いた事がある!と思った方がいるでしょう。

本題の『和紅茶』とはどこの産地か分かりますか?
勘のいい人はすぐに分かりそうですが、和紅茶とは『和』が付くだけあって日本産の茶葉を使っているんです。それが和紅茶の定義となります。
その他にも、国産紅茶や地紅茶とも呼ばれているとか…

和紅茶は現在、47都道府県のすべてで作られています。その数、1,002カ所。
その中でも和紅茶の主な産地は、静岡県、埼玉県、鹿児島県で、生産地が多い場所です。
主な品種は、べにふうき、やぶきたです。

和紅茶の生産は、成功と危機を繰り返す浮き沈みの歴史を持ちます。1875年に始まり、明治期には西洋の需要に応えるため、政府が中国から農家を招いて「紅茶製法書」を発行し、紅茶生産を奨励したそうです。1876年には多田元吉がインドから茶の種を持ち帰り、品種改良が進みました。1954年には「ベニホマレ」が初の日本産紅茶品種として登録され、高評価を得ましたが、1960年代以降、他国の競争力に押され生産は減少しました。しかし、1990年代から技術進歩と健康効果の研究が進み、2000年代に再び生産が活発化し、「和紅茶」として認知されるようになったとのこと。

和紅茶と紅茶の味・香りの違いって?

和紅茶とは何か解ったところなので、実際に和紅茶と紅茶を比較してみました。
初めて和紅茶を飲んで感じたのは、海外の紅茶と違ってやさしい香りに、ほのかな甘みと渋みの少ない後味のスッキリとした紅茶…
あれ?海外の紅茶に比べインパクトがないぞ?と思いましたが、それこそが和紅茶の特徴なのではないかと思いました。和紅茶の落ち着いた味や香りは、デザートだけでなく食事にも合うように感じます。

皆さんも馴染みのある海外の紅茶はどうでしょうか。
先ほどあげた、3ヶ国を見ていきましょう。

・インドのダージリンは、やや渋みがありコクのある味わいでありながら、マスカットフレーバーと呼ばれるほどの爽やかな香りがあると言われています。

・スリランカのウバは、強い渋みとコクがあるが、飲む時のメントールの香りに特徴があると言われています。

・中国のキームンは、燻したような独特な香りが特徴でありながら、渋みが少なくまろやかな味わいがあると言われています。

海外の紅茶は和紅茶とは反対にストレートで楽しむよりも味のコクや渋みをいかした飲み方が多く、砂糖やミルクを混ぜて楽しむのが一般的です。
決して、海外の紅茶が悪いということではなく、何と一緒に飲むのかを踏まえて紅茶を選定するのも面白いと思います。

また使用される品種によっても違いがあるようです。
お茶は、ツバキ科の常緑花木であるカメリア・シネンシスの葉から作られます。カメリア・シネンシスには、主に中国産とインド産の品種があり、日本茶の大部分は、中国産「シネンシス品種」から生産されています。もう一方の「アサミカ品種」は、インド原産で、インドネシア、スリランカ、アフリカなどで栽培されているようです。アサミカ品種は、より濃い、風味の強いお茶になるため紅茶に適した品種と言われています。そのため、味も香りも和紅茶の方がマイルドに感じたのかもしれません。

1899でおすすめの和紅茶


紅優香

和紅茶の健康効果について

和紅茶と紅茶。味には違いがありますが、どちらにも含まれる、共通の成分があります。それは、緑茶ポリフェノールと似た「紅茶ポリフェノール」という成分です。

この紅茶特有のポリフェノールは、「テアフラビン」という赤橙色のポリフェノールと、「テアルビジン」と呼ばれるポリフェノールの2種類に分けられます。

「テアフラビン」とは、カテキンが発酵してできる赤い色素です。カテキンと同じように強い抗酸化力を持ち、生活習慣病の予防やシミなどの老化の抑制効果や効能があるとされています。
また、近年インフルエンザを撃退してくれる成分としても注目されています。
インフルエンザの流行る時期が訪れてきますので、対策として和紅茶を飲んでおきましょう。
ミルクを入れてしまうとインフルエンザウイルスを不活化する効果が薄まるのでストレートがおすすめです。

「テアルビジン」については、まだ未解明の部分が多いとか…
これからの研究結果で健康に効果があるのか期待したいですね。

ちなみに、これらの紅茶特有の成分が紅茶のきれいな「オレンジ色」を、紅茶ポリフェノールが紅茶の味に深みを持たせる「渋み」を生み出しているそうですよ。

和紅茶の美味しい淹れ方・飲み方は、華やかな香りを引き出し、和紅茶のやさしい味わい・渋みを楽しむためにも、高温での浸出がおススメです。紅茶の種類によって浸出時間は異なりますが、ミルクなどを入れて楽しむ場合は、比較的濃い味になるように浸出時間を長めにするなどの工夫をしてみても良いかもしれません。

まとめ

和紅茶と海外の紅茶、産地によって味や香りは異なることがわかりましたか?
和紅茶や紅茶にはさまざまな栄養成分がありますが、同じお茶の葉から出来ているので栄養成分に大きな差はないことがわかりました。
また、紅茶特有の成分である「テアフラビン」はこれからのインフルエンザウイルスを撃退する効果も期待出来ます。

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参考資料
国際日本茶協会
地紅茶学会