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2021年のお茶業界動向、良いお茶の選び方とは – 竹内ひさ代氏(2)|1899 CHACHACHA BLOG

2021/08/07 一服のお茶のような話 濱田裕章

2021年のお茶業界動向、良いお茶の選び方とは – 竹内ひさ代氏(2)|1899 CHACHACHA BLOG


昨今の良いお茶の選ばれ方とは

(濱田)
竹内さんは日本茶AWARD2015の審査員も務められていましたが、品評会などではどのような基準で「良いお茶」が選ばれるのでしょうか。

(竹内)
お茶の品評会は、そのお茶の欠点を見つけてマイナスしていく流れが一般的です。結果、一番になったお茶は「非がないお茶」として認められます。この背景には製茶現場に向けた技術の向上を目指して行われていたことがあります。しかし昨今の流れに変化があります。私が審査員として参加した日本茶AWARDでは「プラスを評価する」品評会です。それはお茶をお飲む消費者を意識しているからです。茶葉が「針のようにピンと伸びている」ことが必ずしも消費者に選ばれるわけではないですよね。

(濱田)
確かに茶葉の状態を見て一喜一憂する一般消費者は少ないかもしれませんね。すぐにお湯を注いでしまったら形もなくなってしまいますし。生産者のための品評会であって、お茶を楽しむ消費者のための品評会というのはこれまで無かったというのも驚きです。

(竹内)
そうですね。そのために審査員も少し変わっています。一般の品評会はお茶業界の名だたる方々が名を連ねますが、日本茶AWARDでは日本茶インストラクターの他、中国茶、コーヒー、ソムリエなど嗜好品を取り扱っているプロの方々にお茶の良さについて評価してもらいます。例えば「このお茶は油っぽいものに合いそうだ」などですね。一般の品評会のように熱湯を注いで、そのお茶の良さも悪さも見るといった審査の仕方もしません。日常に飲用する場面を想定した審査を工夫していきます。また淹れ方についても茶こしで淹れるのではなく、急須を使って評価します。

一次審査、二次審査がこのような形式で行われ、最終審査は一般のお客様に選んでいただきます。この部分についてはご参加いただいた方々はご存知かと思います。

最後には出品者に報告書というかたちでフィードバックがあるのですが、そこに審査の過程での様々な意見がまとめられています。消費者目線での意見がわかりやすいことから、「この報告書が何よりもの宝物」と仰っていただける出品者の方もいらっしゃいました。色々な品評会がありますが、それぞれ違った役割があります。

夏におススメのお茶

(濱田)
色々とありがとうございます。
業界の背景について色々と勉強になりました。
次は「夏」ということで是非おススメの「夏のお茶」についてご紹介いただきたいのですが。

(竹内)
夏におススメは冷たいお茶・冷茶ですが、ここ数年は「水出し茶」が注目を浴びています。

(濱田)
飲む時に冷たいだけでなく、淹れる時にお湯でなく水を使うということですね。
水というのは水温でいくとどの程度のものでしょうか。

(竹内)
だいたい4度から10度程度、冷蔵庫の温度と考えてください。
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)で水出し緑茶に関する研究があるのですが、感染症に対して免疫を高める効果が期待できるとされています。加えて昨今多くの方が気にされているカフェインの抽出も減ります。

(濱田)
そうなんですね。この研究については存じ上げていませんでした。
お茶の機能性については色々と語られていますが、免疫を高めるというのはこの状況下では素晴らしい情報ですね。
※農研機構様の研究ウェブページはブログ文末に記載。

(竹内)
夏はお湯を沸かすことも辛いので、フィルターインボトルなどで冷蔵庫に一晩入れておけば簡単にできます。そもそも夏は疲れて免疫が低下する傾向にあるらしいですが、免疫を高める水出し茶が業界的にもおススメです。

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