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【BLOG】もっと素直に生きてもいいのかな

2020/03/14 一服のお茶のような話 清水翠

【BLOG】もっと素直に生きてもいいのかな

待ちわびた春がすぐそこまで来ていますね。
毎年この時期になると、色々な気持ちが巡ってそわそわしてしまいます。

この春の新入社員の入社手続きのことを考えながら、私も自分自身を振り返っていました。
大学を卒業して今の会社の門を勢いよく叩き、早6年目。なりふり構わず勢いのままに仕事に打ち込んできました。

そしてそのまま「悩むアラサー世代」に突入。何かと悩み事が増えました。
同世代と比べた時に自分のキャリアに謎の焦りを感じたり、将来のビジョンに不安を感じたり、マスクをした後のなかなか治らない頬の跡に悩んだり・・。


「女性のこの年代は何かと悩む」ってよく聞いていましたが、本当にその通りだと思います。


悩む世代に加え、おまけに自分は後ろ向きな性格。
しかし、性格を変えようと思っても人間そう簡単には変えられません。

だからせめて、いや、むしろ逆に?
「自分らしさ」は忘れずにいたいなと思います。


日頃からそう思っているのですが、さて、そもそも自分らしさとは・・?

温かい六煎茶を飲みながら、花粉症のぼんやりした頭で考えはじめた時、
お茶のお稽古での先生の言葉をふと思い出しました。

最近はタイミングが合わず、なかなか行けていないお茶のお稽古。
先生はお元気かなぁ・・。


月に一度のお茶のお稽古ですが、習い始めて3年程。なんとなくお点前もそれなりになってきたように思います。


滑らかな布地の袱紗をさばく時の指先の感触。
お茶を点てる時の、茶筅を振る手の動き。
茶碗から立ち上るお茶の湯気の色。
客人がお茶を飲み切るときの吸い切りの音。


最低限の「動」で作られる四畳半の静かな空間で、ゆっくりと感覚が研ぎ澄まされていきます。

茶道は空手でいう「型」のようなものが決まっており、型通りに道具を運び、お点前をします。

習い始めた当初はなぜ型通りにやるのかわからなかったのですが、やりはじめると不思議です。
段々とその「型」に合わせてやるうちに、自然とその型に心が宿っていくのが感じられ、楽しくなってくるのです。

「自分の心がその場にないとお稽古の意味はないの。あなたはなんでも一生懸命にやりすぎなのよ。少し力を抜いてみなさい。」

ある日のお稽古で先生に言われて、思わずハッとした言葉です。
「『力を抜く』か。私、力が入っていたんだなぁ・・・」


せわしなく変化する日常の波に揉まれ、ひたすらに突っ走ってきたからこそ、立ち止まって一息つくタイミングを見失っていたのかも知れません。なんとなく、なんでもかんでも頑張らなきゃいけないような気がして、最初から気負いすぎてしまっていました。


いつのまにか、またあの時と同じような状況になってしまっていたみたいです。
あの時先生は、私の心がどこか「不在」であることを見抜いたのだと思います。


お稽古を通して自分自身を見つめることの大切さを教えていただきました。


肩の力を抜いて自分の心に真正面から向き合うこと。自分の気持ちに素直になること。
風が吹いて霧が晴れるように、少し気持ちが明るくなりました。

製茶の技法で「合組(ごうぐみ)」というものがあります。産地の異なるお茶や、味や香りなどの特徴の異なるお茶同士をあえてブレンドさせることをいいます。そうすることでバランスが整って美味しいお茶になります。
苦味、渋み、甘味、うまみ、味の要素だけとっても特性は様々です。それが際立つものになれば、そのお茶の「個性」、そのお茶「らしさ」となります。


色々な特徴のお茶を合組して美味しいお茶をつくりあげるように、自分の良いところも悪いところも「自分らしさ」と認めてみても良いのかなと思いました。嫌な部分をどうにかして直そうとするのではなく、それも自分の持ち味の一つとして素直に受け入れてみようと思いました。


思いがけず、お茶と自分に重なるものを感じた出来事でした。
苦みも渋みも全てひっくるめて、私も「良い味」が出せるようになれたらいいなと思いました。

P.S

CHAYA 1899 TOKYOとRESTAURANT 1899 OCHANOMIZUでは、月に1~2回、1899ティーカレッジワークショップという体験会を開催しています。

現在は新型ウイルスの影響により開催が延期となっているのですが、実際にお茶の葉に触れて茶種ごとの違いを体験してみたり、急須を使って自分で淹れた本格的なお茶を飲んだりと、「五感」を使ってお茶を楽しめるイベントになっています。


1899専属の日本茶インストラクターがお茶の楽しみ方や美味しいお茶の淹れ方を丁寧に教えてくれますよ。

初めて参加する方も安心してご参加頂けますので、お茶ライフを始めるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

次回の開催日を楽しみにお待ちいただければと思います。