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玉露とは?日本を代表する高級茶の正体とは|1899 CHACHACHA BLOG
玉露とは?日本を代表する高級茶の正体とは
寒い日が続き、暖かい飲み物が特に美味しく感じられる季節ですね。
皆さんは普段、家やお店でお茶を召し上がる時にはどのような茶葉を選びますか?
最近では煎茶、紅茶、ほうじ茶、ハーブティーなど、お店のメニューやスーパーの茶葉コーナーで様々な種類の茶葉を気軽に味わったり購入することが可能になりました。
しかしその中で普段から頻繁に口にすることが無い、いわゆる「高級品」の茶葉の名前を目にすることもあるかと思います。
今回のブログは身近なお茶である緑茶の中でも高級茶として分類される「玉露」にスポットを当て、その魅力と正体を紐解きます。
名前は知っているけれど…玉露とはどんなお茶ですか?
玉露とは?
高級茶として有名な「玉露」は緑茶の一種で、一番茶の新芽が伸び出した頃から茶畑を20日前後覆い、遮光率70%〜90%で日光を遮った茶畑から摘採した茶葉を蒸熱、揉捻、乾燥させて製造したお茶のことを言います。
煎茶、かぶせ茶との違い
「玉露」という名前を耳にした時に、なんとなく高級なお茶というイメージが湧く方もいらっしゃると思います。では他のお茶、たとえば煎茶やかぶせ茶とはどのような違いがあるのかご存知でしょうか。
実は玉露も煎茶もかぶせ茶も、お茶の木自体は同じものです。それぞれのお茶で異なるのは茶葉の栽培方法で、その栽培方法が異なることによってお茶の味に違いが生まれます。
出典:宇治園
玉露と煎茶との違いとは
玉露と煎茶では使用する茶葉の部分と、育て方が異なります。
煎茶は新芽が出てから摘み取りまで日光を浴びたまま育てます。
一方、玉露は新芽が出てから茶摘の3週間前まで日光を遮って育てます。遮光率は最初70%、だんだんと遮光率を上げて茶摘み前は90%にします。
玉露とかぶせ茶との違いとは
玉露とかぶせ茶の違いもまた、育て方の違いです。
かぶせ茶は玉露と同様に日光を遮って育てますが、遮光期間は茶摘前1週間~10日前後、遮光率も玉露と異なり50%が一般的だそうです。
玉露が甘みを感じるのはなぜ?
玉露の甘みにはテアニンという甘み成分が関係しています。
テアニンは日光に当たると渋み成分のカテキンに変化してしまうため、遮光して育てる玉露はテアニンがカテキンになるのを抑え、甘み成分をしっかり残したまま味わえるというわけです。
出典
玉露茶葉の緑色の秘密
玉露の茶葉が持つ鮮やかで濃い緑色は、 茶葉に含まれるクロロフィル(葉緑素)の量 にあります。
クロロフィルとは植物の緑色色素成分のこと。
光合成を行う上で重要な役割を担います。
遮光して育てる玉露やかぶせ茶の場合、少ない光をより吸収しようとするので、クロロフィルが大量に作られ、より濃い緑色になる、という仕組みです。
出典:お茶百科
玉露特有の香り「覆い香」
玉露を味わうなら旨味だけではなく、豊かな香りも注目ポイントです。
玉露には、「覆い香」と呼ばれる口に含んだ瞬間に鼻へ抜けていく玉露特有の香りがあり、「青海苔のような香り」と表現されることもあるようです。
日光を遮ることによって、熱で失われやすい繊細な香りをも楽しめる奥深いお茶が出来上がります。
高級茶として名高い玉露、その理由とは。
先述の通り、玉露の栽培には茶畑を遮光素材で覆う「被覆」と呼ばれる作業が必要ですが、この作業だけでもかなりの手間がかかります。加えて玉露は新芽から作られたお茶「一番茶」のみを贅沢に使用しているので年に1度しか収穫できず、希少価値がお高めです。
そして新芽の茶葉はとても柔らかく機械で摘むことは出来ないため、玉露の新芽を摘む作業は全て手作業で行われます。最後に摘まれた茶葉は目視検査を経て人の手で丁寧に手揉みされ玉露が完成します。玉露を高級茶たらしめていたのは、茶葉に込められた生産者の技と時間でした。希少性が高いお茶であるため、価値も必然的に高まります。
気品ある甘露の味わい「玉露」その名の由来
玉露の始まりは諸説ある様ですが、広く知られているのは海苔でもお馴染み「山本山」の6代目山本嘉兵衛さんが京都宇治市の茶製造所へ赴いた際に茶葉をかき混ぜてみたところ、乾燥するにつれて丸い形に仕上がったので、これを飲んでみたところ気品ある風味と美しい水色の茶が得られたため、「玉露」と命名されたというもの。
その後、明治初期頃に製茶業者の辻利右衛門という方が現在見られるような棒状に茶葉を炒る形を完成させたと言われています。なお、京都宇治市の巨椋神社境内にはこの玉露誕生の逸話に因み「玉露製茶発祥の碑」が建立されています。
京都だけじゃなかった。日本三大玉露産地
京都で産声を上げた玉露ですが、今日では京都以外の場所でも生産されています。
ここでは現在日本の玉露3大産地と呼ばれている玉露3大産地についてご紹介します。
・朝比奈玉露(静岡県)
清流、朝比奈川の両岸斜面に茶畑が広がる山間の町、朝比奈地区は静岡県藤枝市に在り
お茶の栽培に適した自然環境から歴史は古く、室町時代には朝比奈地区で茶の栽培が始まっていたという記録が残っているそうです。
・宇治玉露(京都)
京都、宇治市では主にてん茶(抹茶の原料)と玉露を主に生産しており、4月から5月に掛けては両品種とも新芽の時期に日光を遮る必要があるため、この時期から宇治市では茶畑が覆いによってすっぽりと覆われ、茶樹の姿が見えなくなります。
化学繊維素材の慣例紗による被覆が多い昨今、宇治市では400年以上の伝統を持つ葦で編んだ葦簀と藁による伝統的な「本ず被覆」を行っており、宇治独特の古き良き景観を継承しています。
・八女伝統玉露(福岡)
八女茶の始まりは、僧周端が1423年(応永30年)に中国より帰国後、霊巌寺を建立するとともにお茶の栽培を伝えたのが由来と言われています。八女市は県内第一の茶園面積と生産量を誇っています。その中でも旧星野村地区の中山間部にある星野村は八女伝統本玉露の生産地であり、八女伝統本玉露は1904年(明治37年)の玉露生産開始以来自然の樹姿を生かした仕立て方「自然仕立て」、茶芽の生育に好適な被覆内の湿度温度環境が得られる「藁資材の棚被覆」を用い、新芽の柔らかい部分を均等に収穫できる「手摘み」によって生産されます。
お家で美味しく味わう、玉露の淹れ方
玉露を家で美味しく淹れる方法をご紹介します。
用意するもの:急須、小さめの茶碗、湯冷まし(無ければマグカップ)、茶匙
玉露を美味しく淹れる際に重要なのが抽出温度と抽出時間、そしてお湯の量です。
玉露の持つ旨味を最大限引き出すには50〜60℃まで冷ました少量のお湯で時間をかけて浸出するのがおすすめです。
- 沸騰したお湯を用意します。
- お湯を湯冷ましに注いで温度を下げます。湯冷ましが無い場合は急須やマグカップでもOK
- 湯冷ましのお湯を1名分40ml位になるようそれぞれの茶碗に注ぎます。
- 玉露用の茶碗や急須は小ぶりのものを使うのがおすすめです。
- 1名あたり約3〜5g(ティースプーン中盛り1杯)の玉露茶葉を急須に入れます。
- ③で茶碗に注いだお湯を急須に戻します。
- 2分〜2分半ほど待ち、静かに茶碗へ注ぎます。この時回し注ぎすることで量や味を均等にすることができます。2煎目も美味しく味わっていただくために、最後の一滴まで注ぎ切ってくださいね。
玉露の持つ豊かな旨味や独特の覆い香をお楽しみください。
玉露を更に楽しむために、ペアリングのススメ
家で玉露を味わう時間を更に贅沢に、このようなペアリングはいかがでしょうか。
○ちらし寿司
食卓を華やかに彩るちらし寿司の酢飯と魚介の旨味が玉露の旨味によく合います。
上質な玉露と彩り豊かなちらし寿司で特別感を楽しめる組み合わせです。
○ドライフルーツ
濃縮された果実の甘み・酸味と玉露の茶葉が持つ甘みのマリアージュ。
在宅ワークを頑張った日や休日のティータイムなど、いつもより少し特別な時間を楽しみたい時におすすめの組み合わせです。
格式高い玉露を気軽に楽しめる商品のご紹介
知れば知る程、奥深く、高級茶として格式の高さを感じさせる玉露ですが、最近ではもっと気軽にティーバッグタイプの玉露を販売しているお店も多数ある様です。
1899のオンラインショップでは八女の水出し玉露をご用意しております。
水出しなので作り方は約2〜6時間ほどゆっくり浸出させるだけ。
優しい味わいで香りも良い水出し玉露です。是非ご自宅やお仕事場でお楽しみください。
※こちらの商品はホットでもお楽しみいただけます。