立春イベントレポート~伝統技法・狭山火入れ~
今回は、2026年2月7日にレストラン1899お茶の水で開催した「立春狭山火入れ体験・試飲販売イベント」の様子をお届けします。レストラン1899お茶の水では、毎年立春の時期にイベントを開催しており、お茶と立春の関係性なども含めてご紹介してきます。
立春とお茶

立春は、暦の上で春が始まる日。また二十四節気の最初の節気です。立春を起点に少しずつ暖かくなり、新しい一年の始まりとなります。今年は2月4日です。そして、立春から数えて88日目にあたる日は雑節のひとつ「八十八夜」。この日に摘んだお茶を飲むと、一年間無病息災でいられると言われ縁起物とされています。また、その他の農業においても、この時期は気候が安定し始めるため、本格的に活動開始する時期の目安とされています。
狭山の老舗・宮野園

今回は、宮野園(埼玉県・狭山)の宮野圭司さんにお越しいただきました。宮野園さんは、明治2年創業。創業当時は、神田に店舗があったとのことで、1899とも縁を感じます。
宮野さんは、真摯にお茶に向き合っているのはもちろんのこと、日本茶インストラクター、日本茶普及協会茶育インストラクター、全国茶商工業協同組合連合会認定 茶匠、全国手もみ茶振興会 認定教師、などなど、業界内での存在感の高さに加え、様々な行政や教育機関とも連携し、お茶の普及に取り組んでいる方です。1899のお茶も宮野園から仕入れさせていただいており、お客様にも好評いただいております。
イベント当日の様子

当日は、東京の最低気温1度という寒さに加えて、若干風も強く、お客様がいらっしゃっていただけるか心配でしたが、ありがたいことにお昼時には満席。寒さのせいか、ほとんどのテーブルで温かいお茶もご注文いただいていました。
店内に「焙炉(ほいろ)」という台を設置。この天板が熱くなっており、その上で茶葉を揉んでいき、乾燥させ仕上げていく、というものです。お食事中のお客様も見学いただき、また実際に体験いただきました。
お話しをお伺いすると、以前、狭山に住んでいて狭山のお茶が大好きというお客様もいらっしゃいました。年1回のこの貴重なイベントに偶然参加いただけたとのことで、1899としても嬉しく感じています。

狭山の伝統製法「狭山火入れ」

焙炉を使ったお茶の仕上げ工程は、狭山に伝わる伝統の仕上げ工程で「狭山火入れ」と呼ばれています。宮野氏曰く、江戸時代から続くと言われている歴史ある工程です。
お茶が好きな方でも、焙炉を使った仕上げ工程を見たことがある人は少ないはず。
現在は、お茶の仕上げは機械化が進んでおり、生産性の面でも焙炉を使っている茶園も少ないのですが、伝統的な技法でもあり、目の前でお茶が仕上がっていく様子を是非見てもらいたい、という宮野氏の強い想いもあり、ここ数年毎年開催しています。
最初は、ある程度水分を含んだ茶葉を焙炉の上に置き、それを少しずつ手で混ぜるようにしながら、ムラ無く乾燥させていきます。最初は少し重そうな印象がありますが、段々と乾燥してサラサラしてきます。私も体験したことがありますが、思った以上に天板が暑く、今日のように寒い日でも身体がポカポカしてきます。
狭山火入れ、いただきました

イベント当日の3日前の立春の日に、宮野氏が仕上げた茶葉の販売も行いました。パッケージの真ん中に仕上げ日の「令和八年丙午二月四日」の文字。かっこいい。
私自身もお茶をいただきましたが、日頃の狭山茶の美味しさに加え、縁起が良いものをいただいている気持ちが心ほっこりさせてくれます。
このお茶はイベント当日から数量限定で店頭で販売しています。
また、2月末日まで店内メニューとしてもご提供いたします。
お茶を通した季節の移ろいを
1899が毎年この立春の時期にお茶のイベントを開催するのは、お茶を通した季節の移ろいを大切にしたいから。暦の節目にお茶と向き合う時間を通じて、心身を整えるきっかけにもしていただきたいと考えています。
農業全般はもちろん、お茶にとって重要な八十八夜の起点となる立春の時期に、その日に手を動かし、香りや温度を感じながら作られたお茶を味わう時間は、日常のお茶を特別な存在へと変えてくれるのではないでしょうか。
さあ、春が始まります!




