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春から初夏へ!一番茶の魅力と楽しみ方|1899 CHACHACHA BLOG

2023/03/25 茶を食す話 クミコ

春から初夏へ!一番茶の魅力と楽しみ方|1899 CHACHACHA BLOG

春から初夏へ!一番茶の魅力と楽しみ方

桜の花が各地で見頃を迎え、本格的に春の暖かさを感じられる日が増えてきました。
皆さんはもう今年のお花見へお出かけになりましたか?
あちらこちらで草木が芽吹き街の景色に優しい色彩が加わるこの時期、
瑞々しい萌黄色の茶の葉が茶畑を覆います。
今回のブログは春から初夏にかけて摘採が始まる特別なお茶、一番茶のお話です。

一番茶ってどんなお茶?二番茶、番茶との違いとは

一番茶とはその年に芽吹いたお茶の新芽を摘採して作ったお茶のことで「新茶」とも呼ばれます。まず新茶最大の特徴は若葉特有のフレッシュな香り、この香りはリナロールや青葉アルコールといった成分で新茶には特に多く含まれています。リナロールはフルーティで鈴蘭のような香りがする成分、青葉アルコールとは草を刈った後に感じられるちょっと青臭いような匂いの素になる揮発性の成分です。

もうひとつの一番茶の特徴はその圧倒的な旨味。
一番茶にはテアニンやグルタミン酸などの旨味成分がその後に摘採される二番茶よりも2倍以上多く含まれます。茶木は前年の最後の摘採から半年ほどかけて、たっぷりと栄養分を蓄えながら春先にゆっくりと新芽を成長させます。その分新茶には旨みや香りが詰まっているのです。

一番茶に多く含まれる香り成分リナロールには鎮静、抗不安、抗炎症作用があるとされ、青葉アルコールには心を落ち着かせるリラクゼーション効果があると言われています。
加えてテアニンには脳へ対する保護作用ストレス軽減効果が報告されているので、これらの成分を豊富に含む一番茶は、忙しい毎日を送る方がホッと一息つきたい時に召し上がるのにとても適した飲み物なのではないでしょうか。

そして一番茶を摘んだ後、約45日〜50日後に伸びてきた次の芽を摘んだものが二番茶です。
二番茶に含まれる旨味成分のテアニンは一番茶に比べると少なくなりますが、一番茶よりもカフェインやカテキンが多く含まれているため、苦味の強いお茶を味わうことができます。
地域や生産者によって異なりますが、二番茶もしくは三番茶以降のお茶を番茶と呼び、番茶は「晩茶」とも表現され晩(おそい)時期に摘んだ硬い茶葉で作られたお茶を意味します。低温で抽出可能なテアニンが少なく、高温で抽出されやすいカテキン、カフェインを多く含むので番茶を淹れる時は一番茶の時よりも高い温度のお湯を用います。

ちなみに「一番茶」と「新茶」という表現の使い分けですが、「一番茶」は二番茶や三番茶などほかの時期に摘み取られたお茶と区別するときに使い、「新茶」は今年初めて摘まれた「初もの・旬のもの」という意味で使われることが多いようです。

年に一度だけ、芽吹きの季節の特別なお茶

一言で一番茶と言っても南北に長く標高差も大きい日本では地域によって収穫開始時期が異なります。収穫が最初に始まる鹿児島県から新茶の季節も桜前線と同様、南の暖かい地域から北上していきます(山間部はこの通りではなく少し遅い)。

鹿児島県は九州の最南端に位置し、本州で最も早く春が訪れる場所、そのため摘採の始まる時期も早く4月上旬から「走り新茶」が収穫できることも知られています。
「走り」とは旬になる前の初物を意味し、日本では昔から初物は縁起が良く、初物を食べると寿命が延びると言われてきました。
その後4月中旬頃から静岡県、京都府の新茶の摘採が始まり新茶前線は日本列島を北上、5月中旬頃まで続きます。
ちなみに鹿児島本土から少し南下した種子島ではさらに早く、3月下旬には新茶の収穫が始まるそうです。昔から茶摘みは八十八夜、つまり立春から数えて88日目(平年は5月2日、閏年は5月1日)頃が良いとされていますが、冷涼な地域では八十八夜を過ぎることも珍しくありません。

春になってやっと芽吹いた柔らかな葉はとてもデリケート、春先のお天気は桜が咲いた後もまるで冬が戻ってきたように寒い日もありますので寒暖差で急に冷えて新芽に霜が降りるとその部分が枯れてしまい、商品としての品質と価値が下がってしまいます。
それを防ぐのが「防霜(ぼうそう)ファン」と呼ばれるもの。茶摘みが始まる前から、防霜ファンを回して上空の暖かい空気を下に送り霜を防ぐそうです。寒冷紗という覆いをかけたり、スプリンクラーで水を撒いたりして霜を防いだりも。そのため茶摘みが始まる前から、生産者さんは毎日気が気でない状況が続きます。

新茶の味わい方

    ○新茶の淹れ方

  1. 茶葉を急須に入れます、3名分なら6グラムほど、ティースプーン3杯くらいが目安です。
    やや多めに茶葉を使用するとより深い味わいが楽しめます。
  2. 沸騰させたお湯を茶碗の八分目まで注いで冷まします(70度から80度)
    季節によりますが沸騰したお湯を湯呑みに注ぎ1分半ほど待つと80度位のお湯になります。
  3. 茶葉を入れた急須に②のお湯を注ぎ蓋をして40秒待ち急須を軽く回し茶葉を開かせます。
  4. 味が均等になるよう茶碗へ順番に回し注ぎます。最後の一滴まで注ぎ切ってくださいね。
    二、三煎目は急須にお湯を入れてからすぐに茶碗へ注いでください。

一番茶は茶殻も美味しいので、是非お茶を淹れた後は茶葉そのものを酢醤油や鰹節を加えて味わってみてください。茶葉に残った栄養ごと一番茶らしい茶葉の旨味とフレッシュさを感じられますよ。

これからのお楽しみ

そして今後は「CHAYA1899TOKYO」と「レストラン1899お茶の水」でも一番茶の提供を予定しております。尚、茶摘みツアーも開催に向けて準備中です!どうぞお楽しみに。