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「日本茶インストラクター」を目指してみませんか?|1899 CHACHACHA BLOG
2021/12/21 一服のお茶のような話 1899茶バリエ
皆さん初めまして。
ホテル1899東京の大河原と申します。
私は一昨年の5月から、ホテル1899東京でお茶を淹れております。
ホテル内にある「ティーカウンター」でお客様とお話をしながら、お茶の世界の奥深さを感じる毎日です。
さて、今回のテーマは「日本茶インストラクター」。
まさに日本茶インストラクターを目指しているという方には、その難易度等についてぜひ参考にしていただき、日本茶インストラクターって初めて聞いた!という方には、ぜひ興味を持っていただけるよう詳しく紹介していきます。
そもそも、日本茶インストラクターとは?
日本茶インストラクターとは、NPO法人日本茶インストラクター協会が認定する資格です。資格取得者はいわば「日本茶の専門家」!
少し難易度が高いので、日本茶インストラクター通信講座を受講して効率的に学習した上で受検するもよし。独学でチャレンジするのもよし。満20歳以上であれば誰でも受検できます。
「日本茶アドバイザー」が初級資格であるのに対し、「日本茶インストラクター」の方が難易度が高く中級資格と設定されていますが、「日本茶アドバイザー」の資格が無くても挑戦可能です。
日本茶インストラクター試験の受検者には、やはりお茶を仕事で扱っている方が多いようです。しかし中には、お茶を趣味として嗜まれている方のチャレンジもあるよう!
このブログを読んでくださっている方は、きっともれなくお茶が大好きなはず。皆さんもぜひ「日本茶インストラクター」挑戦してみてはいかがでしょうか。
日本茶インストラクターの試験…難易度は?
日本茶インストラクター資格の取得には、「一次試験」と「二次試験」2つの関門があります。
まず一次試験として、マークシート(五つの選択肢から選ぶ方式)による筆記試験から。
試験内容は、お茶の成分や適した淹れ方についてはもちろんのこと、お茶の長~い歴史や、お茶の木の栽培方法・刈り取る機械の名称に至るまで…かなり細かく様々で、難易度も高いようです。
総合点が70点以上、かつ各科目の正解率が50%以上で突破できます。
一次試験を突破すれば、今度は二次の実技試験。
実技試験は、「お茶の品質審査や鑑定」と「お茶の淹れ方」をそれぞれ実演することによって審査されます。
前者は、並べられた5種類程度の乾いた茶葉をそれぞれ「何の種類のお茶か答える」「品質の良い順に並べる」「摘まれた時期が早い順に並べる」…等、お茶の葉を様々な観点から鑑定する試験です。
鑑定する際に着目すべき要素は、見た目の状態・色・香り・感触…などなど。その見方を学習してから挑みます。
後者は、当日ランダムで指定された1種類のお茶の淹れ方を、試験監督の先生にインストラクション(教えること)しながら実演します。
使う茶器を選ぶところから始まり、正しい作法や、適したお湯の量や温度で淹れているかどうかを審査されながら、試験監督から飛んでくる質問に答える形式。
一次・二次試験を通した日本茶インストラクター試験の近年の合格率は、なんと約35%!この数字を見ると、かなり難易度が高いようです。
実際に合格した方にインタビュー
ここで、1899在籍の日本茶インストラクターさん2名にインタビューをしてみました。
まずは、昨年度に日本茶インストラクター資格を取得されたばかりの直木さん。
一次試験はジャンルが多く、問題文を読み解くのが少し難しく、専門用語の暗記についても見たことのない漢字が多く使われている…ということで、難易度の高さを感じられたそうです。
やることの量が多いため、まずスケジュール設定を行い「いつまでにどこまで終わらせる!」という細かい目標管理を行うのがポイントだったとお話ししてくれました。
品種ごとにどんな味かということを知る必要もあり、各品種の産地に住んでいるご友人から茶葉を送ってもらい飲んでみることで対策。
また出先でも勉強できるように、まずタイピングで手を動かしながら覚え、出先ではそれを見て学習したとのこと。
他にもノート作りをしたり、歴史については主に単語帳を作って学習。高校生以来かなり久しぶりとなる単語帳購入だったそう(!)。打つ(タイピング)/書く/読むの各方法で暗記し→模試を解く→出来なかったところをまた暗記→模試→…のサイクルを大事にしたそうですよ。
難易度の高い試験のため、かなり徹底的に学習されていた様子です。
直木さんは基本的に、日本茶インストラクター通信講座に申し込むと届く教材で学習。主な教材は、テキスト3冊、用語辞典、統計の資料集、2次試験のやり方が収録されているDVD等。統計の資料集には、品種ごとの都道府県別の生産量の割合、消費量の割合などの統計が載っています。
今は1899でお茶に関わるお仕事をしながら、日本茶インストラクター試験に向けて勉強していたことが実際に活きている・身についていることを日々感じているんだとか。
次は2018年度に日本茶インストラクター資格を取得された、1899ドリンク開発責任者の坂上さん。
坂上さんも直木さんと同じく、日本茶インストラクター通信講座に申し込んで届いた教材で学習。
テストには日本茶インストラクター通信講座の教材に載っていることしか出題されないので、金銭面に余裕のある方は日本茶インストラクター通信講座に申し込むのがかなりおすすめです。
坂上さんは、とりあえずテキストを5回書き写すところから始めたそう(!)。書き写し終わったら、自分で人に説明できるよう、ストーリーを作って順序立てて話す練習をしたんだとか。
一次試験の学習内容には、当時働いていたお店(RESTAURANT 1899 OCHANOMIZU)で経験したことのないことも多く、既に日々お茶に触れていた坂上さんでも難易度の高さを感じたとのこと。
二次試験は感覚的な部分が大きく、お茶の品質審査や鑑定には特に苦戦。何度も何度も練習や対策を重ねたそう。ちなみに、練習用のお茶は日本茶インストラクター協会から購入できます。
現在は、”勉強したことが全てではなく、教材に載っていない世界もお茶にはたくさんある”ことを痛感しながら、情報収集をし続け、発信できることを多くしていかないといけないと感じているとお話ししてくれました。”まさに”日本茶インストラクター、お茶のスペシャリストですね。
ここまで、日本茶インストラクター試験について紹介させていただきました。
難易度の高い試験ですが、お茶についてたくさん勉強して日本茶インストラクター資格を取得した後に、自分で淹れるお茶はきっと前までと違った味になっていることでしょう…!
やっぱり難しそうだなと感じられた方は、まず手始めに比較的難易度の低い、日本茶アドバイザー試験から挑戦してみるのも良いかもしれません。