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ティーバッグは、リーフに劣るのか|1899 CHACHACHA BLOG

2021/10/23 茶を食す話 hikaru no CHA

ティーバッグは、リーフに劣るのか|1899 CHACHACHA BLOG


ティーバッグ開発の歴史

ご紹介の前に、皆さん気になりませんか。
そもそもこんな便利なティーバッグって、いつ、どこで、どのようにして誕生したのでしょうか。

簡単に歴史を紐解いていきましょう。

ティーバッグの歴史は20世紀のアメリカから始まります。

20世紀のアメリカの茶の輸入業者は、販売する茶葉のサンプルをブリキ缶に入れて小売業者に送り、それを試飲をさせて注文を取るのが販売の通例でした。そんな当時1908年、ニューヨークでお茶とコーヒーの販売をしていたトーマス・サリバンは、商人らしくコスト削減を考えました。「この茶葉のサンプルを入れる“ブリキ缶の費用”が惜しい」と。

そこで茶葉のサンプルをブリキ缶より安価な“絹の袋”に入れて顧客の小売業者に送り始めました。すると偶然にも、見本を受け取ったある小売業者がそれを見て「絹の袋であれば面倒な茶殻の始末をしなくて良いから便利だ!一杯分の茶葉を入れて売るのはどうだろうか。」ということを思いつきます。以降、サリバンは絹袋入り紅茶を本格的に生産するようになりました。

「簡単で、速い、常に同じ味で淹れられる」と瞬くまに大好評で、1920年代のアメリカでは一般家庭、レストラン、ホテルまでにも定着。世界のお茶事情を編纂した1935年出版の『ALL ABOUT TEA (W・H ユーカース著 )』 では、1935年には既にティーバッグを作る機械も誕生していたと記述もあり、その広い普及がわかります。

そして、現代では、皆さんの知るところ、世界でティーバッグが楽しまれています。

▲【参考文献】磯淵猛著『一杯の紅茶の世界史』(文春新書)

ティーバッグとリーフティーの違いって?

ティーバッグは、偶然が生んだ発明だったのですね。

また、約100年以上前に生きていた当時の人も「お茶を淹れた後にポットに残った茶葉を片づけるのが面倒だ」と感じていたことに、「それでは私と同じじゃないか」と思わずどこか親近感が湧きました。しかし、それこそが結局の“ティーバッグの一番の良さ”なのかもしれません。

さて、ここからは、ティーバッグについてを深堀していきます。

ティーバッグとリーフティーで大きく異なる点は、ずばり“茶葉が袋(バッグ)に入っているか、いないか”です。当たり前のことなのですが、ここにポイントがあります。

ティーバッグの中身は“リーフティー”です。ですので、ティーバッグだから、リーフティーだからという問題ではなく、そのお茶の良し悪しは“その中に入っている茶葉の品質”が決定づけるのです。

結論をいうと、かならずしも「リーフティーの味わいは良く、ティーバッグは味わいは劣る」は正しくないのです。

ちなみに、1899で販売している「六煎茶ティーバッグ」と「六煎茶リーフティー」の茶葉の色と形状はどちらも同様です。単に茶葉が袋に入っているか、入っていないかなので、どちらでも同様に美味しいお茶を淹れることができます。

六煎茶ティーバッグの袋から取り出した茶葉

六煎茶リーフの茶葉

ティーバッグのメリットとデメリット

ティーバッグは、リーフティーと比べ、このようなメリットがあります。

美味しく淹れられる茶葉があらかじめ計量されている

ティーバッグは、そのお茶を美味しく淹れられる茶葉の量が袋に入っています。いわずもがな、リーフティーは計量が必要ですが、ティーバッグは計量の手間がないので、より簡単に美味しく飲むことができます。

個包装のものは鮮度が保たれている

お茶はとてもデリケートなもので、湿気・酸化・移り香の特徴があります。特にお茶の葉は、しっかりと乾燥させた状態で出荷されているため、封を開けて放置してしまうと湿気を吸収してしまい、香りや味わいが劣化してしまいます。一方で、個包装のティーバッグは、その心配は無く、鮮度あるお茶が淹れられるのです。

茶殻の処理などが楽にできる

急須などの茶器を使用しないので、茶器を洗う手間がなくなります。また、茶殻の処理も袋ごと捨てることができるのでかなりラク。

持ち運びが便利で、多彩なバリエーションも味わえる

お家以外にも、オフィスや宿泊先などでも楽しむことができます。また、なかには、茶葉とハーブがブレンドされているものもあり、気軽に多彩なバリエーションを味わうことができます。

一方で、デメリットも。

茶葉の分量が調整できない

あらかじめ茶葉が計量されて袋詰めされているので、好みの味わいを求め、自由に茶葉の分量の調整ができません。こだわりがある方には大きなデメリットですね・・・。

価格が割高なものもある

ティーバッグにかかる費用は、茶葉の他に、ナイロンバッグ、加工、個装の外袋などがあるので、リーフティーよりも価格が割高の傾向があります。淹れるのがラクな分、これは仕様がないことなのでしょう。

ティーバッグを楽しもう!

いかがでしたでしょうか。

世間で噂されている「リーフティーは美味しく、ティーバッグは劣る」は、正しくは無く、ずばり重要なのは“茶葉の品質”にあるのです。

手間をかけてリーフティーで淹れることも素敵ですが、美味しいお茶を気軽に飲めるのがティーバッグの良いところ。

ちなみに、1899でもオリジナルティーバッグを販売しております。ご興味があればご覧ください。

▲今回ご紹介した「六煎茶」以外にも、和紅茶やほうじ茶、ブレンドティーもご用意しております。

テキストYouTubeでもティーバッグの魅力をご紹介しております!

ぜひ、皆さんも気軽にティーバッグでお茶のある生活を楽しんでみてはいかがでしょうか。