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私のおすすめのティーバッグたち | 1899 CHACHACHA BLOG
2021/01/16 一服のお茶のような話 森田輝
◆偶然がもたらしたティーバッグの誕生
ご紹介の前に、皆さん気になりませんか。
そもそもこんな便利なティーバッグって、いつ、どこで、どのようにして誕生したのでしょうか。
簡単に歴史を紐解いていきましょう。
ティーバッグの歴史は20世紀のアメリカから始まります。
20世紀のアメリカの茶の輸入業者は、販売する茶葉のサンプルをブリキ缶に入れて小売業者に送り、それを試飲をさせて注文を取るのが販売の通例でした。そんな当時1908年、ニューヨークでお茶とコーヒーの販売をしていたトーマス・サリバンは、商人らしくコスト削減を考えました。「この茶葉のサンプルを入れる“ブリキ缶の費用”が惜しい」と。
そこで茶葉のサンプルをブリキ缶より安価な“絹の袋”に入れて顧客の小売業者に送り始めました。すると偶然にも、見本を受け取ったある小売業者がそれを見て「絹の袋であれば面倒な茶殻の始末をしなくて良いから便利だ!一杯分の茶葉を入れて売るのどうだろうか。」ということを思いつきます。以降、サリバンは絹袋入り紅茶を本格的に生産するようになりました。
「簡単で、速い、常に同じ味で淹れられる」と瞬くまに大好評で、1920年代のアメリカでは一般家庭、レストラン、ホテルまでにも定着。世界のお茶事情を編纂した1935年出版の『ALL ABOUT TEA (W・H ユーカース著 )』 では、1935年には既にティーバッグを作る機械も誕生していたと記述もあり、その広い普及がわかります。
そして、現代では、皆さんの知るところ、世界でティーバッグが楽しまれています。
【参考文献】
磯淵猛著『一杯の紅茶の世界史』(文春新書)
◆私のおすすめの“1899ティーバッグ”
ティーバッグは、偶然が生んだ発明だったのですね。
また、約100年以上前に生きていた当時の人も「お茶を淹れた後にポットに残った茶葉を片づけるのが面倒だ」と感じていたことに、「それでは私と同じじゃないか」と思わずどこか親近感が湧きました。
しかし、それこそが結局の“ティーバッグの一番の良さ”なのかもしれません。
さて、前置きが長くなりましたが、1899で販売している私のオススメのティーバッグのご紹介をします。ますます寒さが厳しくなる冬により美味しいお茶たちです。動画も載せていますので、ぜひご覧ください。
【深蒸し煎茶 1899狭山火入れ】
最初にご紹介するのは、私が一番に好きな緑茶の「深蒸し煎茶 1899狭山火入れ」です。
埼玉県の狭山市で作られたお茶を、狭山古来伝統の「火で茶をじっくり時間をかけて炒る“狭山火入れ”」で丁寧に仕上げています。
お茶の木を栽培できる”北限”と称される狭山市ですが、冷涼な丘陵地帯でじっくり育成するため、そこで採れるお茶は“深い香り”と“輪郭のはっきりとした味”が特徴です。
おすすめの淹れ方は、80~90度にしたお湯を150~200ml程度注ぎ30秒で淹れる方法。パックではありながら煎を重ねる毎に少しずつ味わいが変化していくのも面白いところ。
渋み・苦味が特徴のお茶なので、何かの作業中にすっきりと気分を入れ替えたいときや、食事後にさっぱりとしたいときにおすすめですよ。
【和紅茶×ゆず 清らか】
続いてご紹介するのは、“日本の要素が沢山詰まった国産紅茶ブレンドティー”。
和紅茶とは“日本産の茶葉を使用して作られた紅茶”のことを指します。1899の和紅茶は、緑茶品種を使用し紅茶に製茶しているので、インドのダージリンやスリランカのウバなどの外国原産の紅茶と比較すると、渋みが少なくやわらかな香りとマイルドな甘みが特徴です。
そんな和紅茶に、強い酸味が特徴の乾燥させた柚子の皮をブレンドしたのが「清らか」。ネーミングの通り、華やかな和紅茶の香りに、フレッシュな柚子の酸味が後を引きます。
私が推す「清らか」の飲み方は、牛乳や砂糖を加えない“ストレート”。口に含むと感じられる雑味がない素材本来の美味しさを楽しめます。
そして、「清らか」を楽しむティータイムに忘れてならないのが茶菓子。「清らか」にはまったりとした甘みの強い和菓子がベストマッチします。日本産の紅茶と日本で古くから親しみのある柑橘であるからなのでしょうか、やはり合わせるお菓子も羊羹や饅頭などが不思議と合うのです。
【和紅茶×しょうが ぽかぽか】
和紅茶に乾燥しょうがをブレンドした「ぽかぽか」。
かなり寒がりな自分は冬の時期にこのお茶ばかり飲んでいます。
皆さまは、しょうがにはっきりとした「身体を温める効能」があるのをご存知ですか。
しょうがに熱湯を注ぐと「ショウガオール」という成分が抽出されます。そのショウガオール成分は、胃腸の血流を改善し、体を芯から深く温める効能があるのです。そしてそれだけでなく、風邪の初期症状や咳を緩和する効果まであるとのこと。詳しくは、以前ブログでもご紹介しておりますのでぜひご覧ください。ブログはこちらから【生姜緑茶で温活&ダイエット】
1899のティーバッグはナイロンを使用した“三角テトラ・メッシュ形状”なので、しょうが素材がお湯に浸出されやすく、しっかりと味を引き出します。
また、小さいながら隠れたこだわりも。しょうがを細かく粉砕せず、大きめに形を残しているので、ありがちな“粉っぽさ”を感じず、素材からじっくりと味を抽出していきます。そこが私の好きな「ぽかぽか」のポイントでもあります。
粉砕したしょうがではなく、大きめに形を残しています。
【ほうじ茶 やさしさ】
最後は、狭山の茶園 “宮野園茶匠”の職人魂が詰まった「ほうじ茶 やさしさ」。
使用する原料茶から製茶するまでの過程まで、そのあらゆるこだわりが光るほうじ茶で、自分はいつも飲む度に「ああ、ほうじ茶って良いなぁ」と魅了されてしまいます。
詳しい材料配分は宮野園の“企業秘密”なのですが、茶の茎の部分を多めに使用したブレンドがコンセプト。そしてなんと、その原料茶の仕上がり具合を茶匠が視てブレンド配分を変えるとのこと。
なんといっても、ほうじ茶の味の特徴が顕著に表れるのが焙煎の過程です。もちろん、この茶の焙煎過程にも茶匠が携わり、焙煎の途中で、火の入り具合、焙煎の芳香、飲み味を判断していきます。
この「やさしさ」は浅炒りでも、深炒りでもない、スタンダードな焙煎で仕上げ。まず芳ばしい火香を感じたあとに、ほんのりとした丸い苦味と甘みが追ってきます。
◆皆さんもぜひいかがでしょうか
いかがでしたでしょうか。
やっぱり美味しいお茶たちを、その時の気分で気軽に飲めるのがティーバッグの良いところですね。
ちなみに今回ブログでご紹介した1899ティーバッグは、実は他にも種類があります。
1899オンラインショップでも販売していますので、ご興味があればご覧ください。
ぜひ、皆さんも気軽にティーバッグでお茶のある生活を楽しんでみては。