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出汁が決め手のお茶漬けレシピ | 1899 CHACHACHA BLOG

2020/10/17 茶を食す話 hikaru no CHA

出汁が決め手のお茶漬けレシピ | 1899 CHACHACHA BLOG

出汁が決め手のお茶漬けレシピ

忙しく時間が無い時、食事の支度が面倒な時、仕事で疲れ果てた時に手軽に食べられるのがお茶漬け。

そんなことで、なんとなくお茶漬けはズボラ飯なイメージがありますが決してあなどることなかれ!
こだわれば、「出汁」と「ご飯」の組み合わせは絶品なのです。

今回はレストラン1899お茶の水の和食料理人直伝のお茶漬けの作り方をお伝えします。
そして、新たな美味なお茶漬けを求めて「煎茶」「ほうじ茶」「紅茶」のお茶漬けを作ってみました。


◆出汁に含まれる「うま味」とは

お茶漬けの話に入る前に、まずは重要な“味”の話から。

人間が感じる基本味は「塩味」、「酸味」、「甘味」、「苦味」、そして「うま味」の5つ。
特に、素材の滋味と香りを重んじる和食は”うま味に特化した料理”といっても過言ではないかもしれません。

うま味にも種類があって、その数は3種類。昆布や野菜などに含まれる「グルタミン酸」、魚や肉類に多い「イノシン酸」、干しきのこ類に豊富な「グアニル酸」です。

なんと、うま味成分は単独よりも組み合わせることで真価を発揮します。
いわば「うま味の相乗効果」です。

お茶漬けに注ぐ出汁は、昆布と鰹が材料なので「グルタミン酸」と「イノシン酸」の両方がたっぷりと含まれていて、まさにベストコンビ。だからこそ、“お茶漬けのシンプルな見た目にあなどることなかれ”なのです!

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◆出汁茶漬けとは?普通のお茶漬けとの違いは?

ではそもそも出汁茶漬けとはどんなお茶漬けのことを言うのでしょうか。

ずばり出汁茶漬けとは、ご飯にお茶ではなく出汁をかけて食べるお茶漬けのことです。実はこの出汁をかけたお茶漬けの歴史は長く、古くは室町幕府の8代将軍、足利義政が昆布や椎茸で取った出汁をかけて出汁茶漬けを楽しんでいたとか。

出汁茶漬けは普通のお茶漬けに比べてうま味の感じ方が違います。先ほど説明したように出汁はうま味を強く感じることができるので、普通のお茶漬けよりも味わいが深く感じられます。

◆こだわりの出汁を使ったお茶漬けのレシピ

そんな味わい深い出汁茶漬けを作るため、レストラン1899お茶の水の大久保 将史(おおくぼ まさふみ)料理長に出汁のレシピを聞いてみました。
美味しい出汁を作るためのワンポイントアドバイスもチェックしてみてください。

レストラン1899お茶の水



【こだわりの出汁を使ったお茶漬けのレシピ材料】

出汁の材料(1~2人分)

  • 昆布4g
  • かつお節15g
  • 水360cc
  • 塩2つまみ
  • 薄口醤油0.5cc

料理長大久保よりワンポイントアドバイス!
出汁は、互いの素材の滋味や香りを存分にひきだすために‟昆布とかつお節の比”が大事です。どちらかの材料が多くても、少なくても、その繊細な味を作れません。


【こだわりの出汁を使ったお茶漬けの作り方】

    1. 鍋に水360ccと昆布4gを入れて中火にかけます。
    2. 昆布のうま味が出る70度~80度まで昆布を煮て、すぐに昆布を取り出します。
    3. その後、かつお節のうま味や香りを引き出すために90度まで温度を上げてかつお節を投入。

料理長大久保よりワンポイントアドバイス!
出汁は‟香り”も重要です。沸騰させてしまうと素材の香りが飛んでしまうため、料理中には火力や温度に気をつけてください。

    1. かつお節が自然に沈むのを待ち、沈みきったら箸で一度かき回して味をしっかり出しきります。

料理長大久保よりワンポイントアドバイス!
昆布やかつお節を入れると‟アク”が出てきます。雑味の無い澄んだ出汁にするためにもアクを取り除きましょう。

    1. ざるとリードペーパーでかつお節の入った煮汁を濾します。

    1. 煮汁を沸騰直前の90度まで火にかけて、最後に塩2つまみと薄口醤油0.5ccを加えて完成。

料理長大久保よりワンポイントアドバイス!
不要なアクを出さないように塩と薄口醤油は後入れに。

完成しました!
その味はどうでしょうか。
あえて具材を入れずに、まずはそのまま食べてみました。

れんげにうっすら黄色の出汁とご飯を丁度良くすくって口に含むと、
瞬く間に舌に広がる、そして舌全体を包み込むような、優しく淡い味。決して派手ではないけれど、”繊細さ”と”奥行き”が感じられます。

こだわりの出汁を使ったお茶漬けの美味しさを実感しました。

◆煎茶・ほうじ茶・紅茶のお茶漬けのお味はいかに

スタンダードなお茶漬けだけでなく、いつもと違う味も食べてみたい。そんなことから、その出汁を使いそれぞれ3種のお茶「煎茶」「ほうじ茶」「紅茶」で割って食べてみました。

ひとつひとつ順番にレシピを踏まえて味の評価をしていきます。また、最後には出汁をひくところからお茶を割るところまでを撮影した料理風景の動画も掲載しているのでご覧ください!

【煎茶】

≪出汁・ご飯・トッピング≫

出汁:120ml
ご飯:150g
トッピング:梅 あおさ海苔 ぶぶあられ

≪お茶のレシピ≫
茶葉の量:煎茶4g
湯量:湯量:100cc(茶葉の量と急須の大きさを考慮し、お湯100ccで浸出して60ccをかけました)
浸出時間:30秒

あまり多く茶葉を使用せず淹れた煎茶で割りました。口に含むとまず感じるのは煎茶の持つ「タンニンの苦味」と「カテキンの渋味」。その後に出汁のうま味と少しの塩味が合わさりなんとも美味。味も見た目も “お茶漬けの王道”でした。

【ほうじ茶】

≪出汁・ご飯・トッピング≫

出汁:120ml
ご飯:150g
トッピング:鮭 あおさ海苔 ぶぶあられ

≪お茶のレシピ≫
茶葉の量:ほうじ茶4.5g
湯量:200cc(茶葉の量と急須の大きさを考慮し、お湯200ccで浸出して60ccをかけました)
浸出時間:30秒

ほうじ茶は茶葉を多めにしてを濃く淹れました。焙煎の過程で生まれる「ピラジン」と呼ばれる芳ばしい火香や特有の苦味が出汁と調和していてホッ”とする味。ほうじ茶のすっきりとした味を活かして、夏は冷茶にしてサラサラ食べるのも良いかも。

【和紅茶】

≪出汁・ご飯・トッピング≫

出汁:120ml
ご飯:150g
トッピング:塩昆布 あおさ海苔 ぶぶあられ

≪お茶のレシピ≫

茶葉の量:煎茶4g
湯量:200cc(茶葉の量と急須の大きさを考慮し、お湯200ccで浸出して60ccをかけました)
浸出時間:30秒

世間一般的ではない紅茶のお茶漬けは私にとっても未知なる挑戦です。口に含むと、先に紅茶の渋味が広がり、その後に淡く出汁の存在を感じられます。トッピングには塩味のある具材を乗せると味が引き締まって美味しいです。動画内では塩昆布をトッピングしましたが、塩味と酸味がある梅と一緒に食べても美味しかったです。


◆1899のお茶漬け

レストラン1899お茶の水では、このブログでご紹介したように和食料理人が出汁にこだわって作るお茶漬けをご提供しています。

抹茶味噌の鯛茶漬け ¥1,280
ランチタイム:11:00~14:00(L.O. 13:30)

ランチタイム提供の「1899抹茶味噌の鯛茶漬け」。少し甘めの白味噌に抹茶を加えた“1899特製の抹茶味噌”を真鯛に絡め、出汁で溶かしてお召し上がり頂けます。これからの寒い季節にぴったりな料理です。

レストラン1899お茶の水