近年、まだ10月だというのに新年のおせち料理取り寄せの広告キャンペーンがやたらと賑わうようになりました。ついこの間、お正月を終えたばかりなのにもう?という感覚です。それだけ、時間の流れが経済に翻弄されながら加速しているようでなんとも落ち着きません。
一年の計は元旦にあり・・といわれながら、その一年はどうもいままでの
時間の長さではない気がしてなりません。
子供のころの大晦日の情景を我が家の台所にタイムスリップしてみると。。。。
子供のころ、大晦日が近くなるとどこの家庭でもそうだったように、我が家も日に日に気ぜわしくなったものです。
クリスマスが終わったばかりでまだツリーも片付けていないのに、世の中は突然、否応なしに正月気分に突入! 親からは、やれ大掃除の手伝いをしろだの、おせちの用意があるから早めに八百屋の御用聞きに正月野菜を頼んできてだの、何だかんだと女の私に言いつけてきて、外で遊んでいる兄たちを横目に不服だったことしか覚えていません。
もっと最悪なのは、母が一日台所でおせち料理を作るお手伝いをさせられたことです。家族5人分の野菜の洗いや皮むきは当時の人数からいったらさほど多くはないといえども、それでも幼い私には量が多くて大変でした。包丁の刃が親指にあたって指先の皮がギザギザにむけるは、削り節の刃にあたり指を切ってしまうは、もう泣きっ面に蜂でした。
けれど、今となっては、そんな一日を懐かしむようになったし、鰹節と昆布でとった出汁の湯気が立ち込めた台所の匂いは、はっきりと覚えています。
あの薄暗くて所狭い台所に立つ白い前掛け姿の母親から教わったおせち料理は、家庭をもってからもいかほど役にたったかわかりません。
お料理の一連の段取り、下ごしらえ、お出汁の取り方や調味料の入れる順番、台所のあとかたづけまで教わりました。お陰で今では人並みに手際よく料理をするし、料理が終わると同時に台所の整理もできています。 あんなに嫌々やっていたのに、結果オーライ。母に感謝しています。