9月に入り、もう間もなく「食欲の秋」がやってきますね。
そこで突然ですがクイズです。
お茶には色々な健康効果があると言われているのですが、
その中にはダイエット効果が期待されているものもあります。
そのダイエット効果ですが、
なぜ効果があると言われているのでしょうか?
30秒考えてみてください。
……さぁ、いかがでしたでしょうか?
もしあなたがお茶のダイエット効果について、バッチリ説明できる程知っているとしたら、
あなたのお茶に関する知識は相当なものでしょう。
ということで今回はお茶の持つダイエット効果、
抗肥満効果についてお話したいと思います。
美味しいものがたくさん食べられるこの季節だからこそ、
お茶と共に健康的な「食欲の秋」を過ごしませんか?
カテキンの持つ作用
まずクイズの答えですが、もちろん一通りではありません。
最初に「カテキン」という物質の持つ効果からお話ししたいと思います。
「カテキンはポリフェノールの一種で、古くから『タンニン』と呼ばれてきた緑茶の渋みの主成分」だと言われています。(今井久雄,2018,『日本茶のすべて』,笠倉出版, p25)
また、「緑茶カテキン類は、デンプンなどの糖質の分解を妨害し(中略)糖から生体内で生成する脂肪の減少をもたらし、結果として肥満を防止する作用を有する」とされています。(NPO法人日本茶インストラクター協会,2011,『日本茶インストラクター講座第2巻』,日本茶インストラクター協会,p106)
つまり、カテキンとは緑茶に含まれる成分であり、脂肪の増加に直接的に関わる糖の吸収を抑える効果があることから、抗肥満効果や、コレステロール低下作用があるとされているので、ダイエット効果が期待されるということです。
カテキンの効果をよく謳ったものとしては「トクホ」の商品が挙げられますが、
なぜ「トクホ」が肥満防止に良いとされているかというと、
カテキンの作用により「食事の脂肪の吸収を抑え、体に脂肪がつきにくい」効果があるからなんです。(卯川 裕一・提坂 裕子,『生物工学 第93巻』,株式会社伊藤園中央研究所)
カフェインで脂肪を更に燃焼
続いて皆さんご存じの「カフェイン」という成分についてです。
カフェインは、おそらくリフレッシュ効果や、眠い時に目を覚ますような覚醒効果を主に思い浮かべる人がほとんどだと思うのですが、実はダイエット効果も期待されている成分なんです。
カテキンは摂取することで脂肪の吸収を抑える働きがありましたが、
カフェインはダイエットには欠かせない運動の効果を向上させる力があります。
「カフェインには、体を動かした時に脂肪をエネルギーとして燃焼させやすくする効果があり、ただ漠然と運動するよりも効率が良くなること」が知られています。(今井久雄,2018,前掲書,p28)
もちろんダイエットや肥満防止には運動が多かれ少なかれ必要だと思うのですが、
その前にお茶を飲んでカフェインを摂取しておくことで、より効率的に脂肪を燃焼することができるわけです。
また、カフェインには脂肪燃焼を助長する効果だけではなく、
カテキンの作用も、カフェインが共存することによってより高まることも分かっています。(NPO法人日本茶インストラクター協会,2011,前掲書,p107)
カフェインであれば、エナジードリンクやコーヒーでもいいんじゃないの?
と思う方がいるかもしれませんが、
お茶の良いところは、とにかくカロリーが低いのと、飲みやすいため適度な水分補給にもなることだと思います。
また、カテキンと同時にカフェインも摂取できるので、
抗肥満効果に関しては他の飲み物とは比べ物にならないほど効果のある飲み物なのではないでしょうか。