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1899 CHACHACHA Blog

     

【BLOG】日本茶セミナー「1899テイーカレッジ」潜入ルポ!

2019/02/06 茶を食す話 天心庵守のひとりごと

【BLOG】日本茶セミナー「1899テイーカレッジ」潜入ルポ!

<日本各地のお茶の飲み比べ> 

受付を終え席に着くと、1899のスタッフにより点てられた美味しい抹茶が振舞われた。
今回のテーマ。

物心ついたときから母が淹れてくれる朝茶で一日が始まり、これまで緑茶を欠かしたことのない私が、先日、1899ティーカレッジに参加してきました。
このカレッジは、今回で18回目となり指導豊富な日本茶インストラクターを迎え、日本茶を様々な視点から幅広く学び、より身近に生活の一部として楽しめる生活を提唱しスタートされました。
毎回、多くの人が参加し好評を得ている1899のイベントです。

緑茶のない生活が考えられない私なのですが、このカレッジでは、これまで茶葉のことを大して知らずにお茶を何気なく飲んでいたのだと気づかされ、ちょっとショックでした!

つまり、茶葉の生産地域や淹れ方によって味わいがそれぞれ違うことは私を含めご存知の方は多いと思いますが、実は、私は一枚の茶葉が製造工程によって分けられていることを意識したことがなかったのです。烏龍茶や紅茶を滅多に飲まない私は、烏龍茶は中国のお茶、紅茶はイギリスのお茶、緑茶は日本のお茶・・・というようにそれぞれを全く別物とみていたのです。ところが、今では、日本国内で烏龍茶も紅茶も育てられていることを学びました。今回のカレッジで知った茨城の烏龍茶や鹿児島の紅茶はこれまで味わったことのない逸品でした。日本の生産技術って本当に凄いですね。創意工夫を重ね、自国の風土に適した独自の味を生みだしてしまうのですから。

 
香り高い逸品、茨城産の烏龍茶(左)とまろやかな味の屋久島産の和紅茶(右)

特に興味深かったのが、生茶の製造工程で知った後発酵茶(こうはっこうちゃ)のことです。

茶葉の製造工程は、不発酵(緑茶)、半発酵(烏龍茶)、発酵(紅茶)、後発酵(プーアール、碁石茶など)という4種に分類されているそうです。


今回体験したお茶。4つに分類された茶葉の特色を見ながら、味比べ。

受講者のもう一つのお目当てといわれる1899オリジナルの抹茶スイーツプレート!

茶葉には”酵素”が含まれていて、収穫された茶葉はその酵素の働きによって”発酵”=酸化するのだそうです。その発酵の進め具合を調整してそれぞれの茶葉を仕上げていくというわけですね。 その中でも馴染みのうすい後発酵茶は、茶葉に含まれる酵素によって発酵させるのではなく、乳酸菌などの微生物によって発酵させたお茶だそうです。発酵、乳酸菌、微生物・・・このキーワードだけで私はもうこのお茶にぞっこん惚れ込みました!

後発酵茶の代表格は中国のプーアール茶だそうですが、今回、初めて試飲したのは「茶の漬物」と称される愛媛の石槌黒茶。注がれたお茶を鼻に近づけるとお茶の香りというよりは、漬物の酸味の匂いです。さらに口に含むと、漬物を食べた時の酸味が強く広がりました。

この瞬間、私のお茶の概念が打ち砕かれたくらいの驚きでこの摩訶不思議なお茶の虜になりました。微生物が発酵するお茶ということで、近年では、健康への機能性食品としての一面も注目されているようです。


お茶の色から見ても、漬物の酸味など想像などできなかった。

発酵、乳酸菌の有効性が謳われている健康ブームにのって今では値段も上がり手に入りにくい茶葉になったそう。

今回のカレッジでは、味の異なる各地のお茶をいただきながら、東西南北、縦長に広がる日本の国土の自然を深く慈しむことができました。

お茶が気候や自然と密接に繋がっているということ、そして、長い歴史を通して人々の生活に茶が珍重されてきたことなどに想いを馳せるだけでも、お茶が、単なる飲料ではなく私たちの営みになかで綿々と注がれてきた伝統的なお茶だと感じることができるかも知れません。

数年前、若い人たちの家にはお茶を淹れる急須がないと聞いてびっくりしました。

確かに、私の息子たちの家に行った時、急須はなくコーヒーカップにインスタントの粉茶をいれお湯を注いだだけのお茶を振舞ってくれました。それでも、今ではお茶を飲む習慣がなくなるよりは簡単に飲めるペットボトルやティーバックでもいいとさえ思えてきました。

大切なのは、1899ティーカレッジのようにお茶について楽しみながら気楽に学べる機会がこれからもできれば増え続け、お茶の生活を取り戻して欲しいと思うのです。

今回のティーカレッジは、私のように長年、緑茶を飲み続けてきたと豪語するものが、さらに新しいことを発見し、自然を慈しむ心を改めて取り戻せた貴重な機会でした。

今では、毎朝、急須の中に広がる茶葉の香りを静かに感じ、数種の茶葉を嗜むようにしています。そして、週末には、昨年の暮れに新調した抹茶セットで薄茶や濃茶を楽しんでいます。

小さい頃から当たり前のように過ごしてきた私のお茶のある生活は、これからもさらに奥深い営みとなって、ゆとりある自然回帰のゆるやかな時間になればいいと思っています。


お茶生活を気楽に簡単にスタートできる我が家の初心者向けお抹茶セット。セット内容は様々だが、5000円前後で購入できる。少し欲がでてきたので、自分好みの棗(なつめ)と茶碗を探している。