1899 CHACHACHA Blog
【BLOG】和食ってなに・・・?
“Which are Japanese traditional cuisines in this menu?”
(このメニューのなかで、和食はどれですか?)
先日、RESTAURANT 1899 OCHANOMIZUで勤務中に、
外国のお客様からこんな質問を受けました。
欧米の方で、観光で日本へ来て、和食を試したかったようです。
「折角の観光旅行だから、ぜひ楽しんで頂きたいな!」と、
その際には、メニューにある、出汁巻き玉子、鰆の塩蒸し、真鯛の刺身などを提案しました。
けれど、あとで思い返すと、
それらの料理は、はたして”本当に和食”で正しかったのでしょうか”…。
そのときの私の頭のなかでは、和食は、「日本伝統の調理技法で作った料理」や「日本の食材を使った料理」、「日本人が考えたレシピで作られた料理」と、勝手なふわふわっとしたイメージがありました。
まだまだ勉強不足な私…。
では改めて、”和食”の定義とは何でしょうか。
今回は、あのときの私のモヤモヤした疑問を解決することも兼ねて、”和食の定義”を探ります!
写真は、以前に当店で提供した
「白身魚の揚げ出汁」。
これも、厳密には和食と言える?
料理人に聞いてみた !!
「答え」を求めて、RESTAURANT 1899 OCHANOMIZUの料理人たちに聞いてみました。
彼らの答えはいずれも、
2013年に ユネスコの無形文化遺産に登録された”和食”の定義につながっていました。
熱弁されました。
農林水産省によると、「和食」は料理そのものではなく、
「自然を尊ぶ」日本人の気質に基づいた「食」に関する”慣わし”だといいます。
そして、和食の特徴を四点あげています。
特徴1:多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
特徴2:栄養バランスに優れた健康的な食生活
特徴3:自然の美しさや季節の移ろいの表現
特徴4:正月などの年中行事との密接な関わり
これらの4つの特徴を持つ”食の社会的習慣”こそが、和食なのです。
つまり、”出汁巻き玉子という料理そのものではなく、
“出汁巻き玉子は、素材の味わい(旨み)を活かす調理技法によって料理されるから和食になる”、のです。
他に例を挙げると、
「一汁三菜の食事スタイル」、「伝統文化があるおせち料理」なども”和食”になります。
無形であること
であれば、冒頭の、私が海外のお客様へ紹介した料理は、
ずばりどれも”和食”にあてはまりますね。
良かった。ちょっと”ホッ”としました・・・。
さておき、”和食は無形である”という考えに、私はどこか魅力を感じます。
つまるところ、和食は料理レシピなどで細かには定義できないものなのです。
古来より受け継がれてきた伝統的な料理方法などの土台はあっても、繊細な味付けなどは、
料理に向き合う「料理人自身のこだわり」に懸っているのではありませんか。
だからこそ、”人に愛される味付け”や”お客様を魅了する飾りつけ”、”食材へのこだわり”など、料理人の情熱が、一椀、一皿ごとに伝わる。それが和食なのだと私は思っていて、なんだか魅力に感じるのです。
いつも、真剣勝負です!