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緑茶の酸化を抑えるには?水筒でおいしく飲むポイント|1899 CHACHACHA BLOG

2024/07/06 一服のお茶のような話 和田麻由

緑茶の酸化を抑えるには?水筒でおいしく飲むポイント|1899 CHACHACHA BLOG


緑茶の酸化を抑えるには?水筒でおいしく飲むポイント


暑い日が続きますね、日頃の水分補給はどのようにされていますか。
外出するときなど、水筒にお茶を入れて持ち歩くこともありますが、お茶が酸化するから水筒には緑茶を入れないほうがいいと聞いたことがありませんか?
緑茶の酸化と水筒の関係について調べてみました。

緑茶が酸化すると何が変わるのか?

まず初めに、「酸化」の定義は『対象とする物質が電子を失う化学反応のこと。具体的には、物質に酸素が化合する反応、あるいは物質が水素を奪われるなどの化学反応である』とされています。酸化の原因としては、空気中の酸素のほかに、熱、光、食品中に含まれる金属イオンなどが挙げられます。しかし、目に見えない化学物質の変化を理解するのは難しいですよね。酸化による変化として「色」と「味」の2つのポイントに絞って調べてみました。

①酸化による「色」の変化

淹れたての緑茶はきれいな緑色の水色をしているのに、時間が経つと黄茶色っぽくなった経験はありませんか?
緑茶の緑色は、葉緑素であるクロロフィルによるものです。このクロロフィルは熱に弱い特徴があり、緑色のクロロフィルは熱によって酸化すると、黄褐色のフェオフィチンという物質に変化します。つまり、緑茶が酸化すると、色が退色してしまうということです。
また、色の変化においては、緑茶の成分であるカテキンも関係していると言われています。本来無色のカテキンは、空気酸化によって紅茶にも含まれる酸化重合物(赤茶っぽい色の成分)に変化するそうです。加えて、カテキンは熱に弱く、高温保温化において褐変化するのだとか。
温かい緑茶を保温性のある水筒に入れて持ち運ぶと、色が変わってしまったのはこれらが原因だったのですね。

②酸化による「味」の変化

時間が経つと緑茶の味が変わってしまうことは、なんとなく実感としてありますよね。実際に、高温保存している緑茶は渋みが増し、旨味が減るというデータもあります。
アミノ酸、色素成分、香り成分などは酸化劣化を生じると言われていますが、緑茶に含まれる数多くの成分のなかで、ここでは緑茶の味の要となる苦味成分「カテキン」と旨味成分「テアニン」の味の変化について調べてみました。
まず、カテキンはポリフェノールの一種で、抗酸化作用があります。抗酸化物質というのは、物質自身が酸化することで他の酸化を防いでくれる作用があり、つまり、カテキンは酸化されやすいということのようです。カテキンは酸化によって酸化重合物に変化するのですが、この酸化重合物は「縮合型タンニン」とも呼ばれます。タンニンは苦味や渋味の成分です。酸化によってタンニンが増え、渋味が感じられやすくなるということでしょうか。
一方、旨味成分であるテアニンはアミノ酸の一種です。アミノ酸は熱や酸素によって酸化しますので、テアニンも酸化し、味が劣化すると考えていいのでしょうか。諸説ありますが、味の劣化においても酸化の影響を受けていると考えられているようです。

酸化した緑茶は体に悪いのか?

酸化と聞くと体に悪いようなイメージがありますよね。
食品の酸化には、体に悪い影響を与えるものもあります。例えば酸化した油脂の摂取は体に悪いです。反対に、カットした表面が茶色に変わったりんごは食べても体に害はありません。

「宵越しのお茶は飲むな」は本当か?

古来からの言い伝えで「宵越しの茶は飲むな」という言葉があります。酸化した緑茶を飲むなということでしょうか。実は、これは淹れた後の茶葉のことを指しています。茶葉をそのまま一晩おいておくと、茶葉に含まれるタンパク質が腐敗するので、その茶葉でお茶を飲むと体調を崩す原因になるという理由から古来から言い伝えられているようです。

酸化した緑茶には害はない?!

酸化によって色が変わった緑茶も、酸化によって渋味が増してしまった緑茶も、体にとって悪影響を及ぼす成分に変化しているわけではないようです。それでも、酸化が進み風味が落ちた緑茶ではなく、酸化が進んでしまう前のおいしい状態の緑茶を飲み切ってしまいたいですね。

水筒に緑茶を入れて持ち歩くには?

せっかくなら、なるべくおいしい状態で緑茶を水筒に入れて持ち歩きたいですよね。そのためには、酸化を遅らせるか、酸化させないような工夫が必要です。水筒で緑茶を持ち歩くときのポイントをご紹介します!

冷たい緑茶を持ち歩く

①熱による酸化を防ぐ!
水筒には保温機能のあるものが多いので、お湯で淹れた温かい緑茶を水筒に入れると、熱による酸化を進めてしまいます。ですので、氷をたっぷり入れた水筒の中に温かい緑茶を注げば、冷ました緑茶になり、熱による酸化を抑えることができます。このとき、氷によって薄まってしまうので、濃いめの緑茶を淹れるのがおすすめです。

②カテキンの浸出量を減らす!
酸化にはお茶の成分であるカテキンによる影響があることが分かったので、カテキンが少なめの緑茶であれば酸化のスピードを抑えることができます。カテキンは高い温度で溶けだし、低い温度には溶けにくい性質があるため、水だし緑茶を水筒に入れて持ち歩くのがおすすめです。低い温度で作ると渋味・苦味が抑えられ、旨味を強く感じられる緑茶になりますよ。

酸化を抑える対策のほか、水筒に緑茶を入れて持ち歩く際は、水筒の素材を見直すのも一つの手です。ステンレスなどの金属製の水筒に長時間入れて置くと、金属臭がお茶についてしまい、味を損なってしまうことがあります。内部がセラミック加工の水筒のほうが、金属臭の影響をうけず、緑茶の味を長くキープしてくれるようです。

今の季節におすすめの緑茶

蒸し暑い日に、さわやかな緑茶を飲んで心を落ち着かせたいですよね。冷茶や水だし緑茶におすすめの茶葉をご紹介します。

水だし緑茶におすすめ「八女の水だし玉露」

さっぱり口の中に広がる、お茶ならではの旨味が特徴の八女の水出し玉露。
1899のオンラインショップでは気軽に楽しめるティーバッグタイプの八女の水出し玉露をご用意しております。作り方は水350mlにティーバック2個を入れ、約2〜3時間ほど冷蔵庫でゆっくり浸出させるだけ。2時間程度だとさっぱりとした味わいで、3時間浸出するとしっかりとした味わいになります。お好みで浸出時間を調整してみてください。

ロック式冷茶におすすめ「六煎茶」

全国から厳選した、6種を合わせた1899オリジナルブレンドの深蒸し煎茶です。
1899のオンラインショップでは、ティーバックタイプのほか、リーフタイプもご用意しております。作り方は氷100gに、茶葉6gとお湯200mlで抽出した六煎茶を注ぎ、急冷します。
濃厚な旨みを一番に感じ、渋みと緑の香りが爽やかに、ほのかな苦みが引き締めてくれる1899人気のお茶です。

緑茶が酸化すると、色や味が変化します。その酸化には、カテキンが影響していることがわかりました。緑茶を水筒に入れる時は、酸化を抑えるかカテキン浸出量を抑えることで、なるべくおいしい状態で緑茶を持ち歩くことができそうです。シチュエーションに合わせて緑茶の淹れ方を変えると、お茶の楽しみ方が増えそうですね。