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オーガニック茶とは?有機栽培の魅力と難しさ|1899 CHACHACHA BLOG
2023/07/08 一服のお茶のような話 中廣千沙希
オーガニック茶とは?有機栽培の魅力と難しさ
”健康”や”美”を意識して食に気を使う人が増えています。近年SDGsに配慮した地球環境保全やオーガニック志向の影響により無農薬、あるいは極力農薬を使わない農産物が求められる時代になってきました。
お茶の栽培方法の一つである「有機栽培」。実は厳しい基準があり、それを満たさなければ有機栽培という表記ができません。
そもそも有機栽培とはどういったものか皆さんご存知でしょうか?今回は有機栽培をする上での難しさや条件について紹介致します。
日常で良く目にするオーガニック(有機)とは
オーガニックと聞くと、なんとなく自然に優しいというイメージですが、本来の定義がわからない方も多いのではないでしょうか?
農薬・科学肥料を一切使わずに植物由来の肥料だけを使用して、自然が持っている生態系に配慮し、自然のしくみに逆らわない方法で栽培されたものを、「有機栽培」または「オーガニック」といいます。また、美味しく飲みやすいオーガニックの茶を生産するには、根本の土壌づくりからしっかり時間をかけ、品種の選別、栽培方法、摘採時期の見極めができなければなりません。オーガニックと記載するには以下の認定を受けなければ「有機」としての表示をすることが出来ません。
有機JASマーク
有機JASマークは、有機認証を取得された生産者が商品パッケージに記載することができるマークであり、私達消費者がこのマークを確認することで、この商品が有機栽培によって作られたお茶と認識することができます。
世界的にオーガニック製品に関心が高まる中、平成13年(2001年)4月1日に発行した改正JAS法により国内で販売する農産物や農産加工食品に「有機」また「オーガニック」と表示するには、有機JAS認証機関による認定を取得する義務が課せられました。
農林水産大臣の認定を受けた登録認定機関が、基準に適した生産が行われていることを検査し、認証された生産者のみが「有機JASマーク」を使用することができます。
「有機栽培」にはこのような基準が決められています。
- 有機農産物にあっては、堆肥等で土作りを行い、化学合成肥料 及び農薬の不使用を基本として栽培 。
- 有機畜産物にあっては、有機農産物等の給与、過剰な動物医薬 品等の使用の制限、動物福祉への配慮等により飼養
- これらの生産に当たっては、遺伝子組換え技術は使用禁止
- 種又は植付け前2年以上化学肥料や化学合成農薬を使用しないなど
また、JAS認定は、一度認定されたからといって終わりではありません。およそ1年に一回は年次調査を受けなければ、認定事業者として継続することができないそうです。
日本の有機農場の現状
近年の消費者の意識の向上や需要の高まりで、オーガニック作物は一般のスーパーなどでも目にする機会が増えてきておりますが、お茶ではまだ種類が少ないように思います。
有機栽培は海外ではニーズが高く、EUにおける有機産品市場は、その観点のみならず、健康思考やより自然なものを求めたいとする消費者からの支持により、成長が続いています。
海外の有機農園は残留農薬基準(人が摂取しても安全と評価した量の範囲)をクリアする可能性が高いことから、海外の有機茶は日本の有機茶と比べ完全有機で育てる事ができるとのことです。
それに比べ日本は土壌の維持、虫の害虫駆除など完全無農薬で育てるのが厳しいのが現状であり、EUへの輸出となると0.01でも農薬が検出されてしまうと日本の有機茶はEUレギュレーションにおいて通用しないそうなのです。
日本の農業全体に占める有機栽培の割合は、日本はわずか0.2%、ドイツは約6%、イタリアは約9%と日本の有機栽培の農家はかなり少ないのが現状です。
ある茶畑を有機栽培を取り入れるとなると環境を整えるのに最低でも3年はかかる計算になりますが、土壌の条件、気候の課題、さまざまな条件が重なってきますので必ずしも成功するわけではないリスクもあります。
茶園の採取時期
- ・4月 一番茶 刈り取り
- ・6月 二番茶 刈り取り
- ・8〜9月 三番茶 刈り取り
一番茶の収獲後、40日〜50日経過すると、二番茶が収獲できます。
一番茶が収獲されるのは4月〜5月の初夏ですが、虫が発生しにくい時期であり有機茶を育てるのにはとても適した時期と言われます。
二番茶・三番茶に関しては時期的に湿度が高くなるため虫や病気に侵されやすくなり無農薬での生産では厳しく、生産時期を迎えると殆んど全滅状態と言われています。
このプロセスを三年間繰り返し、無農薬のクリーンなお茶が作られ皆さんの家庭、スーパーに送られます。
有機栽培の天敵!害虫事情
無農薬で栽培する上では害虫が付きます。天候による不作や害虫や病気による茶樹への悪影響を受けやすくなるため、収量や品質の面で、毎年安定した生産が難しいとされます。
今回お話をお伺いしたやまま満寿多園さんの農薬を使用しない方法としてハマキコンを設置しています。ハマキコンとは防虫剤の一種で対象害虫の交尾を連続的に阻害し、害虫の発生を抑制することを目的としています。
やまま満寿多園(ますだえん)
今回の記事は、有機栽培を行っているやまま満寿多園代表取締役社長増田剛巳さんのご協力をいただきました。
明治3年創業のやまま満寿多園さんは静岡県御前崎市の北部、牧之原台地で丹精込めてお茶づくりを行っています。
五世代に渡り約150年間お茶づくりを続けており、20ヶ国以上の国と地域で海外へのお茶の輸出を行っています。また、「天皇杯受賞茶園」「農林水大臣賞受賞」など様々な賞を収めています。
農薬を使用する栽培よりも一層手間や時間がかかること、JAS認定を取得する基準も難しいことなど
実際に有機栽培をしている観点からお話を聞けてとても貴重なお時間でした。
改めて、ご協力をいただいた増田剛巳さん、やまま満寿多園のみなさんありがとうございました!
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