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世界のお茶事情~台湾編~|1899 CHACHACHA BLOG

2022/05/07 心の旅の話 ナンゴウ

世界のお茶事情~台湾編~|1899 CHACHACHA BLOG

皆さんこんにちは。昨年反響をいただいた世界のお茶事情ブログ。今回は続編ということで、私の父の祖国である台湾のお茶事情について綴ってまいります。台湾への小旅行をする気分で、お茶を片手にぜひお読みください。

お家で飲むのは台湾茶

皆さんは、台湾のお茶というとどんな印象があるでしょうか。台湾の家庭では、日本の家庭でそうであるのと同様に、当然のように急須があり、日常的にお茶を飲んでいます。また、来客時のおもてなしにもお茶を出します。飲んでいるお茶はというと、日本茶の中にも緑茶や抹茶、和紅茶などの種類があるように台湾茶の中にも烏龍茶やプーアール茶、玉緑茶など様々な種類があります。台湾茶として「木柵鉄観音」や「凍頂烏龍茶」、「文山包種茶」といった名前を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。それらを含め、よく飲まれている台湾茶の種類は烏龍茶・包種茶に代表されるような半発酵茶(青茶)や弱発酵茶(白茶)です。

茶海って何?台湾茶の淹れ方は?

台湾茶を淹れる時にはどんな茶器を使うかご存じですか?日本と同じく、急須を使って淹れます。以前のブログでも触れたように、台湾にも日本でいう茶道のような“茶藝”があり、それには急須の他にも伝統的な茶器がいくつも使われます。ただ自宅で気軽にお茶を飲む際には、毎回お道具一式すべては使わず、最低限急須と茶海(急須で淹れたお茶を一度注ぎ、茶碗に注ぐお茶の濃さを均一にするための茶器)、茶針(急須の中で開いた茶葉を整えるための棒)を使えば楽しめるようです。

淹れ方としては、先に急須と茶碗をお湯で温め、一度お湯を捨て、それからやっと茶葉を入れます。そしてお湯を急須に入れ、竹茶盤というお湯受けのついた台を使う場合は急須に蓋をした状態で上から急須全体にお湯を注ぎ掛け、中のお茶が抽出できたら茶海に注ぎます。一度に何人分も淹れる時にはこのまま一旦二煎目を淹れ、これも茶海に注いで一煎目と合わせてから、茶碗に注ぎます。一つの急須で何人分も、そして何煎も楽しめるのが台湾茶の魅力です。

茶藝で使われるお道具一式。見慣れない茶器も。

写真中央、急須の右側にあるのが茶海。写真手前の茶杓のようなものが茶針

一芯二葉じゃない??「一芯三葉」または「一芯四葉」で摘まれるのが台湾茶

日本茶は高品質で高級なものほど、柔らかい葉の部分だけを使って製茶すべく「一芯二葉」(芯=新芽と、そのすぐ下の2枚の葉まで)で摘まれます。
しかしながら台湾でよく飲まれている台湾茶は高級なものでも一芯三葉または四葉で茶葉を摘む種類があります。更に、お茶を加工する時にも日本茶と異なり何度も揉む行程がある訳ではなく、摘まれたままのお茶の形が残ります。お湯を注ぐ前のお茶の葉の形はコロコロと丸い形です。

試しに私の自宅にある台湾茶を淹れて、開いたお茶の葉を急須から取り出してみました!するとたしかに、一芯三葉や四葉です。日本茶は一芯二葉から揉む工程を何度も経て加工される印象が強いですが、台湾茶は一芯三葉や四葉が”摘まれたままの形”で加工され、お茶を淹れた後まで残ります。

日本人には衝撃の、甘いお茶

台湾は人気の旅行先なのでもうご存知の方も多いかと思いますが、コンビニやスーパー、自販機で売られているお茶は砂糖入りのものが多いです。私も知らずに買ってしまい、初めて飲んだ時は、なんだかドッキリに引っかかったようでショックでした。(笑)
こんなに距離的にも文化的にも近い国なのに、よく売られているお茶の味が違うとは驚きですよね。台湾でお茶を買うときにはパッケージを見て「無糖」もしくは「日式」(=和風)と書かれているものなら驚かずに飲めますよ。

お茶好きなら一度は体験して欲しい、茶館のサービス

以前のブログでも紹介しましたが、台湾の「茶館」(ティーハウス)に行くと伝統的な道具や手順で台湾茶を淹れてもらうことができます。台湾には凍頂烏龍茶や高山茶など、日本でも有名な高級茶が沢山あるので、ぜひ折角なら茶館に赴いて存分にその美味しさを味わっていただきたいです。美味しいお茶と心地よい空間に、長居してしまうこと間違いなしです。

王道タピオカミルクティ、粒の大きさが実は大小2種類

日本でもブームとなったタピオカミルクティー。台湾にはタピオカミルクティーのお店がまだまだたくさんあります。あちらではタピオカのお店というよりも、ドリンクスタンドが街じゅうにあり、タピオカはトッピングのひとつとして用意されているようなポジションです。ちなみにタピオカには2種類あり、粒が大きいものと小さいものでそれぞれ呼び名が違います。ご存じでしたか?粒が大きくて食べ応えのあるほうが「波霸」(ボーバー:英語のbubbleの発音から取ったもの)、粒が普通のストローでも吸い込めるくらい小さく飲みやすいほうが「珍珠」(ゼンズー:真珠の意味)です。ぜひお好みでオーダーしてみてください。タピオカミルクティーもデフォルトはお砂糖たっぷりなので、オーダーの際はお砂糖の調節もお忘れなく。

私は専ら「波霸」(大粒)「少糖」(砂糖控えめ)でオーダーしています

高級ボトリングティーのブームは台湾茶にも

台湾には茶館があるとお話ししましたが、高級なお茶を楽しめる場所は他にもあります。茶館がクラシカルな場所だとすれば、それと対照的にモダンな雰囲気の中で高級な台湾茶を楽しめるお茶カフェが各地にできています。そこではワインボトルのようなおしゃれなボトルに詰められた高級茶を、ワイングラスに注いで、いただくことができます。ワイングラスで飲むと、味はもちろんのこと、お茶の香りや綺麗な水色も存分に楽しむことができ新鮮な感覚でした。日本茶のボトリングティーも流行っていますが、台湾茶のボトリングティーもぜひ一度お試しいただきたいです。

台南のおしゃれなお茶カフェ

合歡山高山美人紅茶(冷泡:水出し茶)

日本茶には日本茶の、台湾茶には台湾茶の良さ。

世界のお茶事情台湾編、いかがでしたでしょうか。台湾への旅行気分を少しでも味わっていただけていたら嬉しいです。
私たち日本人は朝起きてもお茶、心を落ち着かせたいときにもお茶。「日常茶飯事」という言葉があるようにいつでもお茶とともに生活している私たちですが、飲んでいるお茶の種類が異なろうと、飲み方が異なろうと、その存在は台湾人にとっても同じです。そして異なる部分があるからこその、それぞれの良さもあり私はどちらも大好きです。美味しい日本茶が飲みたい、そんな気分の時はぜひ、1899のことを一番に思い浮かべていただけたら幸いです。

P.S.今年の連休も遠出は控えましたという皆さん、ぜひ他の海外CHACHACHAブログも併せてお楽しみください。

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