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世界のお茶事情~カンボジア編~|1899 CHACHACHA BLOG

2021/12/18 心の旅の話 ナンゴウ

世界のお茶事情~カンボジア編~|1899 CHACHACHA BLOG

皆さんこんにちは。今年5月に台湾のお茶文化についてブログを書かせていただいた際、大変有難いことに多くの方にお読みいただき、嬉しい反響をいただきました。そこで今回は、7ヶ月越しですが『世界のお茶事情~カンボジア編~』と題しましてカンボジアのお茶文化について綴ってまいります。

実は学生時代にNPOの活動等で合計9回カンボジアに渡っている筆者。今回は私の渡航時の記憶と写真、そしてカンボジア人の友人から今回のブログのために聞き出した話を織り交ぜながら、お茶を通してカンボジアを知る旅にご案内します。

カンボジア人にとってのお茶とは?

私たち日本人にとっては、お茶と言えば煎茶(緑茶)をイメージする方が多いかと思いますが、カンボジア人には何茶が思い浮かぶのでしょうか。また、我々日本人には茶道という芸道がありますがカンボジアにはそのような文化はあるのでしょうか。

まず、お茶と言えば?でカンボジア人の頭に思い浮かぶのは何茶なのかというと、ジャスミンティーやウーロン茶。緑茶を淹れる文化は残念ながら無いのだそうです。普段、家庭で飲んでいるお茶も、外で食事をするときにサービスで出てくるお茶も、カンボジアではほとんどジャスミンティーかウーロン茶です。
そして、茶道のようにお茶を特別な道具や作法で淹れるような芸道は無く、普段自分たちで飲むお茶も、お客さんに振る舞うお茶も、同じようにカジュアルに淹れて愉しむのがカンボジア流です。

カンボジア流・お茶の淹れ方

私のカメラロールに奇跡的に入っていた、カンボジアのご飯屋さんがいつものようにお茶の準備をする風景です。カンボジアでは写真のような、大きなやかんもしくはティーポットを使ってお茶を淹れるのが一般的です。家庭でも、大きめの茶器にお茶の葉を入れ、お湯を注いで作ります。そして、中のお茶を飲み終わったらお湯を足して、何煎も出します。

私がホームステイをした家庭では、日本でもよく見るようなティーポットを使っていました。友人曰くカンボジアでも本格的な家庭だと、急須やティーカップを持っているそうですが、私の滞在中はもっぱら大きめのグラスや、ジョッキ(笑)でお茶を飲んでいました。この後の写真にも写り込んでいますので、気にして見てみてくださいね。

ホームステイ先でお母さんが作ってくれた家庭料理と、ウーロン茶。

こうして見ると、カンボジア料理は脂っこいものや味の濃いものが沢山。ジャスミンティーやウーロン茶のようなすっきりとした味わいのお茶がよく飲まれているのも、その時には全く意識していなかったのですが今思うと理にかなっているのですね。

暑くても熱いお茶?

さて、日本列島よりずっと緯度が低く、季節は雨季と乾季の二つのみ、ほとんど一年中夏のように暑いカンボジア。お茶はグラスいっぱいの氷でキンキンに冷やしたものを飲んでいるのかと思いきや、なんと温かいお茶を飲む方が一般的で、家庭でもレストランでも、出てくるのはお湯で淹れたままのお茶なのです。

お客さんをもてなす際に出すお茶に関しては、むしろ熱々の状態で出すのが礼儀で、温く(ぬるく)なってしまったお茶は出さないのだそう。
ただしもちろん場所やその日の気分、お茶と一緒に食べるものによってアイスティーを飲むこともあり、カンボジアの朝食屋さんで定番の「クイティウ」という麵料理を食べた後はアイスティーを頼む人が多いのだとか。

朝食屋さんでよく食べていたクイティウと、ジャスミンティー。

食事にもお茶、軽食にもお茶、スイーツにもお茶を合わせるという習慣があるのは日本と共通しているカンボジア。せっかくなのでカンボジアの食べ物を少しだけご紹介。

ヌンパンパティ。フランスパンにハムやレバーペースト、甘酢漬けをサンドして食べます。

バナナの葉に、もち米とバナナをくるんで蒸した粽(チマキ)。甘くてお茶が進みます。

カンボジアのお茶も甘い…?

海外旅行をすると多くの人がショックを受けて帰って来るのが、“甘いお茶”との遭遇ではないでしょうか。日本では考えられないような、緑茶や烏龍茶、麦茶やジャスミンティーまでどれもお砂糖入りで、お茶とはかけ離れた甘~い飲み物に変身しているのが海外…と勝手ながら思っていました。
カンボジアのお茶もさぞ甘いのかと思いきや、それが案外、甘いお茶のラインナップが少ないのです。あるのはレモンティーなど、甘くても違和感のないお茶。最近は日本茶を好む人も増えているお蔭で、ペットボトルで緑茶飲料を買っても日本のものと同じような、甘味の入っていないお茶を愉しむこともできるようになってきたのだとか。

カフェで出てくるお茶ドリンク

カンボジアのおしゃれなカフェやレストランではどんなお茶ドリンクのメニューがあるのでしょうか。なんと抹茶を使ったドリンクがカンボジアでも売られています。また、カンボジア特有の甘味(ゼリーやナタデココのようなもの、甘いソースなど)を入れたものもあります。余談ですがカンボジアでも”BUY 1 GET 1 FREE”の文化があります。

ここまでカンボジアのお茶事情についてお伝えしました。お茶を通してカンボジアを知る旅、お楽しみいただけましたでしょうか。

年の瀬が近付き何かと慌ただしい毎日が続いている方も多いかと存じますが、たまにはお茶とともにゆるやかに、願わくばCHACHACHAブログをお読みいただきながら、ホッと一息つく時間を設けてみてはいかがでしょうか。