1899 CHACHACHA Blog
【BLOG】茶にまつわる言葉遊び。・・「茶茶を入れる」「番茶も出花」
2019/05/18 一服のお茶のような話 太田菜穂子
ある日の午後、ふと、「茶」という言葉を使った慣用句やことわざが普段の生活にどのくらい馴染んでいるだろうと興味が沸いてきて、幾つか書き出してみました。
最初に浮かんだのが「茶を濁す」。
えっ、私には潜在的にこうした小癪(こしゃく)なまねをするような性格があるのかしら? 自分のことはさておき、そもそも、この表現がこしゃくかどうかはわかりませんが、どちらにしても余りいい意味ではなさそうです。
そこで、ハイテクの情報社会ですから早速インターネットで検索するとすぐに答えがでてきました。
あるある、例えば、「その場しのぎでごまかしたり、取り繕うこと。」をたとえた言葉、とか「いいかげんなことや適当なことを言ったりして、一時しのぎにその場を取り繕うこと。」云々。
どうしてそういう表現になったのでしょうね。
果たして定かではありませんが、ある情報では、「茶の湯の作法を知らない者が、抹茶を適当にかき回し、それらしくお茶を濁らせてその場をごまかすことから出た言葉。」と言われているそうです。
それにしても、知ったかぶり・・・・私の言動には心当たり一杯。
この語源の正誤は専門家にお任せするとして、そうした表現が茶の湯に関連してうまれ、私たちの普段の生活でたくさん使われているのはとても面白い発見です。
他にも「茶茶(ちゃちゃ)を入れる」とか「茶化(ちゃか)す」「茶番劇
(ちゃばんげき)」などもお馴染みですね。
「お茶の子さいさい」
私の世代はつい一昔前までよくお茶の間で聞いていたなんとも元気になるような表現です。
お茶の子とは、お茶に添えて出されるお菓子のことだとは知りませんでした!
さいさいとは、囃子(はやし)言葉というもので言葉に調子つけたり活気づけたりするものだそうです。
つまり、お茶の子がお腹にたまらないことから、お手軽・簡単な様子を表すとあります。
なんだかお茶にまつわる表現を探しているうちに面白くてきりがなくなりました。やはり日本には、昔、中国から渡ったお茶が薬として人々の生活に密接にあったことからこうしたことわざや表現がたくさんできたのだと想像します。
みなさんも興味があったらお茶にまつわる言葉を見つけてみてください。
最後に、一つだけ女性にとっては聞き捨てならないことわざがあります。
「鬼は十八、番茶も出花」
どれどれ、意味は?
鬼でも年ごろになれば美しく見えて、品質の悪い番茶でも淹れたてには良い香りがでる。つまりは、どんな女性でも娘盛りは美しい、とある。
だったら、十八を遠に超えた私はもはや鬼にも番茶にもひっかからないってことですね。 なんとまあ、辛辣なお茶にまつわる表現です。
いやはや、どうもお茶言葉の遊びが過ぎて自暴自棄になってしまいました。
心静めて、お茶を一服いただくことにしましょう。
ゆるやかな時間をお過ごし下さい。
一期一会