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2021年のお茶業界動向、良いお茶の選び方とは – 竹内ひさ代氏(1)|1899 CHACHACHA BLOG

2021/08/07 一服のお茶のような話 濱田裕章

2021年のお茶業界動向、良いお茶の選び方とは – 竹内ひさ代氏(1)|1899 CHACHACHA BLOG

今年も暑い日が続いています。
冷茶がおいしい季節ですね。

さて、夏本番、新茶もひと段落。
ということで、今回は今年のお茶の状況を、1899の指導にも関わっていただいている日本茶インストラクターであり、ご自身の店舗で小売りもされている竹内ひさ代さんにオンラインでインタビューさせていただきました。
意外と知らない業界情報も満載の今回のブログです。

2021年のお茶の状況は

(濱田)
日頃お世話になっております。今回はお忙しいところご協力いただきありがとうございます。
さっそくですが、2021年の新茶の時期もひと段落したと思いますが、今年は例年と比べてどんな年だったのでしょうか。

(竹内)
こちらこそよろしくお願いします。
今年の様子ですが、春を迎える時に皆さんも感じたと思いますが今年は暖かい日が続いていました。例年、鹿児島あたりのお茶が早いのですが「今年は特に早い」といった話が出るほどでした。しかし実際始まってみると、4月に入ってから「意外と寒い」という状況があり、4月10日過ぎからお茶の生育が少し遅れた印象がありました。結果収穫量は少なくなってしまった地域もありました。やはり寒いとお茶の量も取れないので、相場にも影響してしまいます。

(濱田)
なるほど、ちょうど新茶の芽が出る時期が寒くなってきてしまったということなんですね。そんなに直前の気候に影響されてしまうとはお茶はデリケートですね。

(竹内)
そうですね、さらにここ最近の傾向として暖冬など気候変動の影響を受けているという点があります。お茶は寒い時期に冬眠して芽が伸びない分、栄養をためる時期があります。暖冬だとしっかり寝ることができないので栄養をしっかりとためることができません。新茶が脚光を浴びる機会が多いですが、実は春以外の一年間の気候の影響を受けて新茶につながっているためお茶は非常に難しい農作物です。加えて今年は肝心の芽が出る時期が寒かったため、収穫量が少なかったという状況です。お茶は摘んだ茶葉を店舗に並べて販売する農作物ではなく、摘んだ後に様々な工程、人手が関わる工芸品なので、非常に難しい重労働なものなのです。世界的に温暖化の傾向になっていますが、今後は気候変動がお茶にとっても重要なテーマとなります。

また二番茶についても勢いが良いという印象がありませんでした。二番茶はペットボトルメーカーの引き合いが増えるのですが、当初一年前に予定されていたオリンピック・パラリンピックという大規模イベントに合わせて多くのメーカーが在庫を抱えていたという話も聞いており、結果延期になってしまったことで二番茶の買いの勢いも良くなかったと伺っています。

今年は異常気象の影響を受けた茶産地もあった年です。お茶の味を安定的に調整している茶師さんも腕の見せどころの年だったと思います。また問屋、小売りの立場からすると相場的に高くなってしまったいうこともあります。

美味しいお茶の選び方は

(濱田)
なるほど、ありがとうございます。
農作物なので気候の影響は理解していたつもりですが、想像以上に影響を受け、今後も心配が拭いきれませんね。
次の話題は少し変わるのですが、お茶の選び方を伺いたいと思います。1899にお越しいただける方はお茶が好きで詳しい方もいらっしゃれば、お茶は好きなものの、まだまだ好みのお茶の選び方など詳しくない方もいらっしゃいます。まして日頃スーパーマーケットで購入される方も多く、購入時に相談する過程もないため、是非お客様を目の前に販売されている竹内さんからご意見をいただきたいです。

(竹内)
お店の品揃えによると思いますが、自分がどんなお茶が飲みたいかはハッキリイメージしていった方が良いと思います。美味しいお茶と言っても好みは千差万別。麦茶、ほうじ茶、緑茶、様々なお茶があります。その中でも一般的には品揃えが多いのは煎茶だと思います。例えば玄米茶などはバリエーションも少ないので選びやすいと思います。
その上で煎茶を選ぶポイントとしては、抹茶が入っているかどうか。これは好みが明確に分かれる部分です。抹茶自体はとても美味しいものですが、煎茶に入っているかどうかについては好みが分かれます。

(濱田)
最近ではペットボトルのお茶にも抹茶入りのものがありますよね。個人的な好みとしては抹茶が入っていない方がスッキリしている印象あるので、入っていないものを選んでいます。その他には何かポイントはありますか。

(竹内)
次は深蒸し茶かどうか。
深蒸し茶は、味も出やすく美味しく人気の高いお茶ですが、粉っぽいので急須が詰まりやすいなどの一面もあります。実際に私のお店のお客様でも深蒸し茶を「粉茶」と勘違いしていた方がいらっしゃいました。お茶は味わいだけでなく、淹れる過程もあります。その過程も楽しめれば良いのですが、人によっては手間と感じてしまし、それではせっかくのお茶も美味しくありません。

それでも迷ったらお茶の入口として、100g800円程度のものを買ってみてください。そこを起点に自分の好みのものを探してみても良いと思います。1,500円以上になるとどれも美味しいのですが値段も張ります。また昨今ネットショッピング(EC)が盛んなようで、私自身非常に便利だと感じます。しかし店番がいる小売店に行ってお茶談義をしながらお茶を選ぶのも、お茶のひとつの楽しみです。是非美味しいお茶、自分の好みを選ぶ第1歩としてお茶屋さんに足を運んでみてください。

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